ペーパーレス化が進むからこそ投資妙味のある複合機メーカー

2020年3月19日 11:08

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■もう業務に紙は必要ない!だからこそ複合機メーカーへの投資は如何?

 新型コロナウイルスの感染拡大により「テレワーク」が推奨されている。筆者もまたテレワークで業務をした経験を持っているが、その時に感じたのは”紙はもういらないな”ということだ。

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 テレワークが進めばペーパーレス化が加速するだろう。そうなると苦しいのは紙出力によって利益を得ている複合機メーカーである。

 実際、株価は低迷中である。投資家からの期待値も低い。しかし、だからこそ複合機メーカーは投資妙味がある。
 

■世界中で進むペーパーレス化に苦しむ複合機メーカーだが・・・

 世界中でペーパーレス化が進んでいる。米IDCに調査結果によると、2018年のプリンター・複合機の世界出荷台数は前年比で1%減となる9900万台だった。1%減なら大して紙需要は減っていないと思えるだろうが、2011年の出荷台数と比べると実に21%減っているという事実を考えてみると如何だろうか。ペーパーレス化の進行は顕著である、といえるだろう。

 実際、各複合機メーカーによる2019年度の直近四半期決算によると、世界でシェア争いをするキヤノン(7751)、コニカミノルタ(4902)、リコー(7752)らは、オフィス用複合機事業において未だに利益は出ているが、前年同期比で減収減益となっている。成長鈍化は明らかだ。

さて、以上の事実は複合機メーカー全体に対する「期待値」を著しく低下させるものである。だから株価も低迷しているのだが、期待値が低いということは投資のチャンスでもあることを知らねばならない。

■期待値が低いからこそ、投資妙味がある!

 現時点で各複合機メーカーの株価は大きく下げており、上にあげた3社はいずれも過去5年の間での最安値を更新している。もちろんコロナウイルスの影響もあるだろうが、それがなくとも下降トレンドを形成していたのは確かだ。

 しかし複合機メーカーもただ手をこまねいている訳ではない。
 
 例えばキヤノン(7751)やコニカミノルタ(4902)は、ヘルスケア事業の拡大を目指して積極的なM&Aを仕掛けている。またリコー(7752)は、顧客のIT化を支援するオフィスサービス事業の収益拡大に努めている。今はまだこれら新規事業は発展段階であるが、収益構造は確実に変わりつつあることを忘れてはならない。

 株価が低くなっている今こそ株を買い集め、業績の回復局面や相場上昇局面で大きな利益を得るチャンスである。複合機メーカーはそういう意味で絶好の投資対象となり得るだろう。

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