通常開催断念も 大相撲春場所 3月1日に結論

2020年3月1日 07:09

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 日本相撲協会は1日の臨時理事会で8日から行われる予定の大相撲春場所について、開催の可否・内容も含めた最終決定を下すことが明らかになった。新型コロナウイルス感染拡大により、春場所の通常開催、無観客、中止の3つの選択肢から結論付ける予定だったものの、他のプロスポーツイベントの自粛等を受け、通常開催が極めて困難であるという考えを示した。

■迫られる決断 開催断念も

 相撲協会の尾車巡業部長は28日、報道陣の取材に応じ、「相撲協会だけ通常開催はあり得ないだろう。中止か無観客でやることになってくる」と語っている。

 2月25日にJリーグが公式戦94試合の延期を発表したことを皮切りに、国内でのプロスポーツが軒並み開催の中止・延期の決断に至っている。プロ野球は2月29日からオープン戦がスタートするものの、全72試合が無観客での開催となる。26日に発表された政府の基本方針も踏まえ、大相撲も通常開催は厳しい状況といえる。

 これまで、無観客での開催は戦後では例がなく、2011年の春場所では八百長問題による開催中止があったものの、ウイルス対策で開催が危ぶまれるケースは初めてだ。尾車部長は「協会員の安全、お客さんの安全も考えて1日に決断する」とコメントしている。

■大関獲りの他、期待を集める注目力士

 春場所では関脇・朝乃山の大関昇進に期待が高まっている。昇進のノルマまで12勝とされている中、ここ4場所つづけて2桁の白星を挙げている。大関を目前にしている25歳は今場所、最も注目を集める力士の一人だ。

 初場所の鮮やかな「幕尻優勝」により、番付を大きく上げたのは徳勝龍だ。24日の番付発表で西前頭2枚目となったことを受け、「気が引き締まりました」と気持ちを語っている。1日の理事会の決定次第ではあるものの、地元とも言える今場所、自己最高位となる地位で連日の上位陣との取り組みが期待される。

 また、今場所でも優勝争いの中心となるであろう存在が大関・貴景勝だ。先場所も終盤まで優勝の可能性を残し、千秋楽で結びも務めた。横綱不在の場所を大きく盛り上げた一人として、今場所へ懸ける想いもある中で「お客さんあっての相撲」と、開催自体が難しくなってきている大阪場所についての心境を語っている。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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