直径200メートルの小惑星、2月29日に地球へ異常接近

2020年2月26日 08:42

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 NASAは24日、直径200メートルの小惑星が猛烈なスピードで地球に接近しているとの情報を公表した。この小惑星は、正式名称2015BK509と呼ばれる存在で、最新の予想では、2月29日に地球に最も接近するとのことである。

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 現在も時速約4万5,000kmという猛烈な速度で移動し、日本時間の29日午前9時29分ごろ地球に最も近づくと予想されている。この小惑星は、最接近時には地球までの距離が716万kmの宇宙空間をかすめるだろうとNASAでは考えている。これは月までの距離のおよそ19倍で、小惑星の直径200メートルと比べて非常に大きな値であり、よほどのことがない限り、予想が外れて地球に衝突するという恐れはなさそうである。

 だが、最近の観測技術の進歩で数十メートルクラスの小惑星の観測も可能になったため、年に何度もこのような小惑星の異常接近のニュースを私たちは目にするようになっている。つまり、最近になってこのような事象が急増したのではなく、従来から頻繁に起きていた事だが、観測できないために知らずに済んでいただけの話である。

 とはいえ、このようなニュースは心臓にはあまりよろしくない。ただ本当に衝突する可能性があるのであれば、あらかじめ知らされていた方が心の準備もできるというものだ。何月何日の何時ごろどこに衝突するのかが分かれば、衝突を避けるためにミサイルで破壊することは不可能でも、避難くらいは可能である。

 因みにミサイルの速度は最高でもマッハ10、時速に換算して約1万2,000kmに過ぎないため小惑星には到底追いつかない。また迎撃するにしても命中させるのは至難の業である。そう考えると小惑星の移動速度の速さには驚かされる。

 もし仮にこの小惑星の移動速度が時速4万kmを切るようなことがあれば、今回の最接近距離でも全く安心はできない。なぜならば、地球の引力に引き寄せられて、地球に衝突する恐れが出てくるからだ。この時速4万kmという数字は第二宇宙速度と呼ばれるもので、地球の引力を振り切るために必要な速度なのである。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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