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宇宙人が作った謎の構造物? タビーの星の謎を解く新説登場 米大学
光の量が不定期に変化するタビーの星 (c) NASA/JPL-Caltech[写真拡大]
地球から1,480光年離れた恒星「KIC 8462852A」は突発的に減光することから、天文学者を悩ませてきた。「タビーの星」とも呼ばれるこの天体は宇宙人が作った巨大構造だという説も飛び出したが、今回この惑星系に属する衛星が減光現象の原因ではないかという説が、米コロンビア大学などの研究者から構成されるグループによって発表された。
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■減光を繰り返す謎の天体「タビーの星」
太陽よりやや大きなKIC 8462852Aは、1世紀以上前に発見された恒星だ。米航空宇宙局(NASA)が運営するケプラー宇宙望遠鏡によって、この天体が減光現象を示すことが発見された。
減光量は1%から22%まで、不定期的に変化するという。数日ないし数週間暗い状態が続き、元の明るさに戻る。ただし長期的には穏やかに減光しており、1890年から100年のあいだに14%も暗くなったという。
減光現象を最初に論文で発表したタベサ・ボヤジアン氏にちなんで、タビーの星と名付けられた天体がなぜ減光するのかについて、多くの論文が発表された。彗星の嵐が原因とする説や、宇宙人が作った巨大構造ではないかという説さえ飛び出した。
■太陽系外衛星によって2つの減光現象を説明
突発的な減光現象については、塵が原因だとする説が有力視されてきた。恒星周辺にできた塵の円盤は、恒星から地球に向けて放射された光を遮断するという。だが塵は最終的に惑星系外に消えるため、恒星の見かけの光の量が元に戻る。
問題は、長期的な減光現象がなぜ起きるのかや、塵の原因だ。研究グループは、この惑星系内の衛星によって突発的な減光現象と長期的な減光現象の両方が説明できると主張する。
太陽系外惑星は、恒星とのあいだで起きる相互作用や衝突によって破壊される。この力は大きいため、惑星の周りを公転していた衛星は惑星から引き離され別の軌道へと移動する。恒星の放射によって、衛星から塵の円盤が生み出されるのだという。
長期的な減光現象に関しても、この衛星で説明できるという。小粒の塵は放射の圧力によって惑星系の外へと吹き飛ばされるが、衛星の外層にある氷やガス、炭素質コンドライト等の大きな物質は塵の円盤へと溜まり続ける。研究グループによると、衛星は数百万年後には完全に溶けてしまうのだという。
研究グループはシミュレーションを行い、今回の理論を実証した。もしこの説明が正しいとすれば、月は惑星系に共通する特徴であり、衛星の存在を証明する方法を提供するのではないかと期待を寄せている。
研究の詳細は王立天文学会月報にて5日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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