お盆期間は個人主体の日替わり物色が活発に【クロージング】

2019年8月9日 15:48

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記事提供元:フィスコ


*15:48JST お盆期間は個人主体の日替わり物色が活発に【クロージング】
9日の日経平均は上昇。91.47円高の20684.82円(出来高概算11億8000万株)で取引を終えた。米株高の流れからシカゴ先物にサヤ寄せする格好となり、20700円を回復して始まった。しかし、米国市場の上昇の一因であった、中国人民銀行が基準値を予想よりも元高に設定したことによる市場反応は前日の段階で織り込み済み。さらに、米国は中国が米国産農産物の購入を停止した後で、米国企業が華為技術(ファーウェイ)とのビジネスを再開するためのライセンスに関して決定を先送りしていると伝えられたことも手掛けづらくさせた。これにより日経平均は寄り付き直後に付けた20782.06円を高値に、その後は20700円を挟んでのこう着相場が続いた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは、国際石油開発帝石<1605>への決算評価もあって鉱業が上昇率トップだったほか、繊維、精密機器、非鉄金属、石油石炭、その他金融が堅調。半面、パルプ紙、証券、ガラス土石、銀行、食料品が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、テルモ<4543>、資生堂<4911>、KDDI<9433>、セコム<9735>、トレンド<4704>が堅調。一方で、ファーストリテ<9983>、富士フイルム<4901>、ファナック<6954>、ソフトバンクG<9984>が重石に。

日経平均は5日線を上回って始まると、その後は上げ幅を縮めているが、終値でも5日線を上回っている。底堅さは意識されるが、ミニSQとはいえ、出来高は11億株台と低水準であるほか、SQ値の20855.99円を超えることが出来なかった。為替相場も1ドル105円台で推移しており、手掛けづらさが窺える。

なお、今週で決算ピークが通過した。週末には600社を超える企業の決算が発表されるため、3連休明け後は決算を手掛かりとした物色に向かわせよう。外部環境の影響から先物主導で大きく振らされやすい面はあろうが、お盆休みで参加者は限られていると考えられ、短期の仕掛け的な売買が中心であろう。そのため、早い段階でショートカバーが出やすく、大きくトレンドを変えてくる流れにはならないとみておきたい。なお、決算はピークを通過したが、来週は中小型株の決算が多く予定されており、個人主体の日替わり物色が活発になりそうである。《AK》

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