航空機業界の両雄 ボーイングとエアバスの果てしなき戦い

2019年1月3日 17:07

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エアバスA380 (c) 123rf

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 2018年7月、ボーイングとエアバスの両社は相次いで小型航空機メーカーを買収した。ボーイングは、ブラジルのエンブラエル社を買収。時期を殆ど同じくしてエアバスは、カナダのボンバルディア社を買収した。

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 これにより両社の新たな戦いの歴史が始まったといってもよい。

 1916年創業のアメリカの世界的な航空機メーカーであるボーイング、その独占体制は暫く続いた。1970年にはこの独占体制に対抗すべく、フランスのアエロスパシアルと西ドイツのDASAが共同出資してエアバスが設立された。この後、イギリスとスペインが加わり現在は4カ国体制で運営されている。

 近年では、ボーイングとエアバスの2社が巨大航空機メーカーとして世界を二分している。

 アメリカにはかつてボーイングの他に、田中角栄元総理大臣をも巻き込んだあのロッキードやマクドネル・ダグラスが活躍した時代があった。ロッキードは1984年には旅客機の製造から撤退し、ダグラスは1997年、ボーイングに吸収された。

 その後ボーイングとエアバスの両社は抜きつ抜かれつの熾烈な競争を続けている。

 2017年度の売上高は、ボーイングがおよそ10兆円、エアバスはおよそ8兆6千億円と公表されている。エアバスは2007年に総2階建のA380を就航させ、航空業界を一新するとまで期待されたが、その後発注は伸び悩み、受注の半数以上はエミレーツ航空頼みという状態が続いた。

 日本は両社にとっても重要な市場であり、特にエアバスはANAと長い信頼関係を続けている。ANAは1987年に初めてA320を発注して以来、2014年と15年には合計37機のA320機を発注している。2019年5月には日本初のA380型機を成田―ホノルル間で運行することも決まっている。

 また、2013年には、JALが A350-900を18機、A350-1000を13機発注している。その他、LCC数社もエアバスの旅客機を使用している。

 対するボーイングは、一時代を築いた747に代わり787-8と787-9を導入して巻き返しを図っている。

 当分はこの両社の果てることのない戦いから目を離せない。(記事:kan1713・記事一覧を見る

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