JALとKDDI、「5G」使った空港サービスの実証実験 タッチレス搭乗ゲートなど

2018年11月5日 21:43

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「JALイノベーションラボ」のロゴ。(画像: 発表資料より)

「JALイノベーションラボ」のロゴ。(画像: 発表資料より)[写真拡大]

 日本航空(JAL、東京都品川区)は5日、次世代通信規格「5G」を利用した新たな空港サービスの提供に向けて、KDDI(東京都千代田区)およびKDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市)と共同で実証実験を行うと発表した。2019年以降、5G通信が国内に導入されるのをにらみ、事前にチェックインしておけばそのまま搭乗ゲートを通過できるスマートフォンアプリの開発などに取り組む。

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 共同実験を行うのは、JALが2018年4月に天王洲の本社近くに開設した研究拠点「JALイノベーションラボ」。空港内や機内を再現したスペースを使って新サービスの研究・開発を行う施設で、自社施設を使って5G通信の実験を行うのは、日本の航空会社として初めてだという。KDDIは施設内に5G環境を提供。KDDI総合研究所は、5G通信の無線特性を生かした独自の技術開発と新サービスの実現に向けた実証実験を行う。

 開発を目指すのは、(1)事前にチェックイン操作を行っておけば、搭乗ゲートに設置した機器が自動的に情報を検知し、チケットなどを持たずにゲートを通過できるスマートフォン専用アプリ、(2)ラウンジなどの特定エリアを対象に、そこに滞在している搭乗客のみが視聴できるコンテンツ、(3)搭乗客が持つスマホなどの位置を把握し、その場所からゲートまでの道順や搭乗予定時刻などをスマホなどに送信するサービス―の3つ。

 5Gは、従来の4Gに比べ、10倍の他接続性を持ち各種センサーのデータとリアルタイムで連携できるほか、約20倍の通信速度と容量を持つため4KやVR(バーチャルリアリティ)に対応した映像を送受信することが可能になる。

 KDDIは5G通信のさまざまな活用法について各企業と協力して開発を進めており、これまで建設機械の無人操作実験を大林組、NECとともに行ったほか、JR東日本の試験車両を使った通信実験などを行っている。

 今回の空港内サービスの実証実験についてJALは「実現すれば、搭乗ゲートでスマホを出す必要がなくなり、空港内の道案内もできることからスムーズな搭乗を実現することができる。また、5G通信ならではのコンテンツを搭乗客のニーズに合わせて提供することが可能になる」としている。

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