スシ、ラーメン・・・次の日本食ブームは「広島のお好み焼き」!?

2018年10月21日 19:40

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 日本の「食」が世界に広がっている。海外の日本食レストランは、この10年ほどの間に5倍に増加したというデータもある。

 1970年代、ハリウッドスターたちが寿司ブームの火付け役となり、日本食が海外で認められ、2013年「和食」はユネスコの無形文化遺産に。近年はラーメンチェーンの海外進出も続いており、2016年には「とんこつラーメン」で人気の「一蘭」が全米1号店がニューヨークにオープンした。

 スシ、ラーメン・・・「次は広島のお好み焼きだ!」とチャレンジしているのが、広島市に本社を置くケーツーエス。お好み焼きチェーン「ちんちくりん」を展開しており、2016年にロサンゼルス店をオープン。2018年3月にはロサンゼルス2号店を出店し、さらに、2018年9月末にはロサンゼルス3号店のオープンも決定、次はニューヨーク進出を狙っている。

 お好み焼きは、大阪にもあるけれど・・・関西のお好み焼きは、キャベツや天かす、豚肉などの具材をまとめるために小麦粉をたくさん使う。グルテンフリーかどうかをチェックする欧米では、関西のお好み焼きは、小麦粉=グルテンが固まっているように見えた。その点、広島のお好み焼きは、最初に小麦粉で薄い生地を引き、その上にキャベツや天かす、豚肉に麺などを乗せるスタイル。これが新しい「ヌードル」として受け入れられたのだ。

 もともと広島のお好み焼きは、戦後 食料不足の中、配給された小麦粉(メリケン粉)に近所で採れたネギを包み、ソースをかけて食べたのが始まりという。アレンジ次第でどんな食材でも合うのが特徴で、すべてを包み込む日本最強のソウルフードと言う人もいる。

 ケーツーエスがユニークなのは、お好み焼・鉄板焼に欠かす事のできない「鉄板」そのものを製造し、国内はもとより、海外へも輸出していること。同社では、「現地で使用されている鉄板のクオリティーは低く、使い易さや耐久性、機能性など、日本の製品に比べると問題も多く劣る」として、鉄板も製造している。ソフトとハード、これほどわかりやすい組み合わせがあっただろうか?

 欧州連合(EU)が2019年初めの発効を目指して日欧経済連携協定(EPA)の締結に合意したのも日本食の海外普及を後押し。人口減少はもちろん、2019年10月に予定されている消費税増税の打撃を考えれば、外食産業が海外進出を考えるのも無理はない。果たして、次は「広島のお好み焼き」なのか!?

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