大塚家具がレンタルスペース向けサービスの展開でリベースと業務提携

2018年10月17日 21:37

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家具紹介のイメージ。(画像:リベースの発表資料より)

家具紹介のイメージ。(画像:リベースの発表資料より)[写真拡大]

 レンタルスペース予約サービス「インスタベース」を展開するリベース(東京都渋谷区)は17日、レンタルスペースの市場活性化に向けて、大手家具専門店の大塚家具(東京都江東区)と業務提携したと発表した。大塚家具は、遊休スペースを貸し出す個人や企業に対し、家具やインテリアを販売、リベースはスペース所有者の利便性向上を図る。大塚家具は売上不振から、今期34億円の最終赤字を見込むなど厳しい経営が続いており、今回の業務提携で販路拡大を目指す。

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 リベースは、遊休スペースを持つ個人や企業がサイトに登録することで、簡単にレンタルスペースを始められる「マーケットプレイス構想」を進めており、構想の実現に協力する企業を探していた。大塚家具は、マーケットプレイスに登録した会社や個人に対し、レンタルスペースを始めるにあたって必要な家具やインテリアなどを提案、販売。これによって販路を増やすとともに、レンタルスペースの利用者に家具などを使ってもらうことで、家具の購入検討の機会を増やしていく。

 リベースではさらに多くの企業と提携し、家具・インテリア以外にも清掃備品やインターネット端末などの商品の販売やレンタル、課金サービスといったサービスの展開を計画している。

 同社の佐藤海CEOは業務提携にあたり、「マーケットプレイス構想は、どのような空間でもレンタルスペースとして活用しやすい環境を提供し、必要な最低限の備品が手軽に揃えられるようなサービスの実現を目指している。この構想について、大塚家具に共感いただいたことをうれしく思う。今後、レンタルスペースサービスに関わる全ての人々のビジネスに貢献していきたい」などとするコメントを発表。大塚家具の大塚久美子社長は、「遊休スペースをレンタルしたいと考えていた方々に対し、家具・インテリアの販売を通じて課題解決に寄与していきたい」などとしている。

 大塚家具は1969年、大塚久美子社長の父、勝久氏が創業。2009年に久美子氏が社長に就任したが、その後、経営方針を巡って久美子氏と勝久氏が対立し、2015年に久美子社長が委任状争奪戦の末、経営を握った。

 久美子社長は、就任後、高級家具専門店から脱却し「気軽に入りやすい店舗」を目指すなど新たなビジネスモデルの構築を目指しているが、これまでのところ成果がでておらず、苦しい経営が続いている。

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