はやぶさ2が映し出す小惑星リュウグウ 季節の変化も克明に

2018年9月4日 19:25

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リュウグウ上空約20キロメートルから撮影したサーモグラフィ (c) JAXA/足利大学/立教大学/千葉工業大学/会津大学/北海道教育大学/北海道北見北斗高校/産業技術総合研究所/国立環境研究所/東京大学/ドイツ航空宇宙センター/マックスプランク研究所/スターリング大学

リュウグウ上空約20キロメートルから撮影したサーモグラフィ (c) JAXA/足利大学/立教大学/千葉工業大学/会津大学/北海道教育大学/北海道北見北斗高校/産業技術総合研究所/国立環境研究所/東京大学/ドイツ航空宇宙センター/マックスプランク研究所/スターリング大学[写真拡大]

  • リュウグウ表面上の岩の塊の分布 緑の印は約10メートル以上の岩の塊を示す (c) 近畿大/JAXA/東京大/高知大/立教大/名古屋大/千葉工大/明治大/会津大/産総研

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月31日、小惑星探査機「はやぶさ2」から撮影した小惑星「リュウグウ」の調査報告を行った。リュウグウの表面には予想以上に岩の塊が存在し、小惑星「イトカワ」よりも多いことも判明した。また公開したサーモグラフィは、リュウグウに季節変化があることを示す。

【こちらも】はやぶさ2の着地点候補が決まる、10月下旬に着陸予定

■多数の岩はリュウグウの形成をたどる証拠

 はやぶさ2は6月23日にリュウグウに接近後、高度約20キロメートルの「ホームポジション」からリュウグウを撮影した。画像の解析の結果、岩の塊が約100個以上写っていることが判明した。岩の塊は多い場所と少ない場所とでバラツキがあることも、画像からうかがえる。

 地球に接近する「アポロ群」と呼ばれる地球近傍小惑星のひとつ「イトカワ」にも、多くの岩の塊があることが判明している。しかし、面積当たりの数で比較するとリュウグウのほうが多いという。

 岩の塊は、小惑星がどのような衝突を受けたのかを示す貴重な証拠だ。岩の塊の個数や形状、バラツキを解析することで、リュウグウの形成が明らかになるという。

■季節変化があるリュウグウ

 JAXAはまた、「中間赤外カメラ(TIR)」から撮影したリュウグウのサーモグラフィを公開した。上側の南半球が夏で温度が高く、下側の北半球が冬で温度が低くなっていることを、サーモグラフィは表す。これは、リュウグウに季節変化があることを示している。

 リュウグウの温度は太陽距離によっても変化するが、高温の場所で約100度、低温の場所で室温程度であることをサーモグラフィは表示する。

 TIRによるサーモグラフィは6月30日にホームポジションから撮影されたもので、今回JAXAが公開したのは自転するリュウグウのサーモグラフィだ。全体の形状がわかるだけでなく、クレーターや岩の塊を温度の違いとして観察することが可能だ。表面温度の違いから物質の特徴を調べることで、リュウグウの形成過程の究明に取り組むという。

 はやぶさは10月下旬に、リュウグウの表面に着地する予定だ。TIRのデータからはやぶさ2が着陸するのに過酷な温度環境や岩の塊といった障害物を避ける検討をすすめるとしている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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