下げ止まらないスルガ銀行の株価

2018年8月15日 21:45

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 シェアハウス融資で不正問題が発覚したスルガ銀行の第三者委員会の報告期限が近づく中、同行関連のニュースが連日報道され、株価下落が止まらない。金融庁による一部業務停止命令の検討や定期預金の不正流用が報道され、年初に2,500円だった同行株価は、15日終値で776円まで低下。第1四半期の純利益が前年同期比71%減と発表した直後での不祥事で、早くも今期業績の下方修正を予想する見方が出ている。

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 14日夕方、共同通信が、金融庁がスルガ銀行に対し不動産融資業務の一部停止命令を出す検討に入ったと報じた。これに先立ち、10日には、同行の行員がダミー法人を複数設立してシェアハウス向け融資を拡大させていた実態が発覚していた。同行はシェアハウスを投資物件として扱うある不動産業者の資質を問題視し、その業者が絡む融資をストップさせていた。にもかかわらず、ある支店長の指示により、ダミー会社を利用し実際にはその業者が絡む案件を別会社案件として融資を継続。行内ガバナンスの機能不全と言わざるを得ない状況だった。

 14日日中には、元行員が顧客の定期預金計約1億6,500万円を解約し、融資金として不正流用していたことをスルガ銀行が発表。同行の資料によれば、40歳の男性社員が2015年4月から18年6月までの間、顧客3人の定期預金を解約し、担当していた取引先へ融資金として流用。顧客からの問い合わせを受け、社内調査後に不正の事実が発覚した。同行は、同社員を既に懲戒解雇しており、目下、刑事告訴を含めて対応を検討している。

 15日には、毎日新聞の記事を受け、前述のシェアハウス融資に関しスルガ銀行が他行を欺いたとする新たな疑惑が浮上。昨年秋、スルガ銀は、シェアハウス運営会社スマートデイズを支援し続けるとの虚偽の決定を行い、東京スター銀行からの追加融資を後押し。スター銀行は、スマートデイズ向けの追加融資に難色を示していたところ、スルガ銀の専務(当時)からスルガ銀の支援方針を聞き、追加融資を実行した。実際には、スルガ銀は当時既にスマートデイズの経営再建が困難と把握していたとのこと。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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