スポーツ用品小売拡大へ、健康志向やファッショナブル化により需要増

2018年8月9日 20:42

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 帝国データバンクは8日、13年度から17年度の年売上高が判明したスポーツ用品小売業者の経営実態調査結果を発表した。好調な需要を背景に、市場は堅調に拡大しているという。

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■17年度決算、前年度比2.6%増

 13年度から17年度決算の年売上高が判明した国内スポーツ用品小売業者3,919社の売上高合計を比較すると、17年度は前年度比2.6%増の1兆3,910億7,100万円になった。

 近年は健康志向の高まりからフィットネスやランニング用のシューズ、スポーツウェアの売り上げが伸長。ゴルフやアウトドア、フィッシングなどスポーツファッションもファッショナブル化して注目を集めていることから、スポーツアパレルを中心に市場の拡大に繋がっているという。

 一方、年商規模別でみると「1億円未満」が前年度比2.3%減の1,041億7,100万円となった。大手が好調に推移するなか、学生向けの販売を主体とする小規模業者は少子化の影響から減収傾向にあるという。

■「100年以上」は釣り具や銃砲関連の専門ショップが目立つ

 業歴別では、「30~50年未満」が1,633社(構成比41.7%)で最多。次いで「50~100年未満」が1,055社(同26.9%)、「10~30年未満」は1,023社(同 26.1%)と続いている。

 一方、「100年以上」は68社(構成比1.7%)となり、釣り具や銃砲関連の専門ショップが目立っているという。

■東京五輪に向けてスポーツ用品メーカーは商機

 17年度の倒産件数は前年度比14.8%減の23件と2期連続の減少。休廃業・解散件数においても13年度の101件が17年度は77件まで減少しているという。

 少子化の影響から競技人口は減少傾向にあるが、高まる健康志向やスポーツファッションが普段着と一体化した「アスレジャー」の浸透により市場は拡大しているという。

 18年は平昌五輪、サッカーのワールドカップロシア大会が追い風となり、19年もラグビーワールドカップ、20年には東京五輪・パラリンピックと業界にとって華々しいイベントが満載であることから、スポーツ用品メーカーにとっては商機とされている。

 一方、「アスレジャー」の影響から、アパレル業者の新規参入も目立っており、スポーツ用品小売業者との競合が加速する可能性があるなど、業界の動きは注目である。

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