コーヒー消費堅調によりカフェ好調、ドトールなど大手は高級路線の動きへ

2018年8月4日 08:08

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 帝国データバンクは2日、喫茶店・カフェ経営業者1,180社の経営実態調査結果を発表した。17年度売上高合計は、前年比4.6%増の6,415億 3,200万円と、順調に拡大が継続。個人事業主による小規模店舗が伸び悩むなか、大手企業は堅調に店舗数を伸ばし、既存店舗も安定した売り上げを示している。

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■スターバックスコーヒージャパン、圧倒的な売上高

 17年の売上高トップは、全体の売上高合計4分の1を占めるスターバックスコーヒージャパン。期間限定商品のヒット、安定した既存店の収益、新規出店数増加、ライセンス収入など好材料が揃い、売上高は1,709億円と圧倒的な存在感を誇る。

 2位はドトールコーヒー。18年5月末時点の店舗は、「ドトールコーヒーショップ」が1,122店舗(うちFC店933店舗)、「エクセルシオールカフェ」が123店舗(うちFC店26店舗)。直営店の客単価増加に加えて、ドリップコーヒーやコーヒー原料など卸売による販路拡大も増収に寄与しているという。

 「星乃珈琲店」などを運営する日本レストランシステムは星乃珈琲店事業の集客数が前年から微減となったものの、新業態「OSLO COFFEE」の出店を積極化。ハンドドリップや急冷式アイスコーヒーなど、サードウェーブに近い業態で話題を集め、充実したフードメニューで客単価も上昇した。

 コメダは、関東、関西、九州地区の出店が順次進められ、FC出店によるロイヤリティ収入が増加。また、店舗数増加によりコーヒー豆・パンなどの食材販売数量も増え増収となった。モーニングサービス(トースト、ゆで卵付き)などのお得感が、引き続き幅広い客層に受け入れられているという。

■今後の見通し

 17年のコーヒー消費は前年に続き高水準を維持、背景には、大手企業の店舗数増加や既存店の売上増加などがあるという。「コメダ珈琲店」や「星乃珈琲店」が好調を維持するなか、高級喫茶「椿屋珈琲店」などを代表に、低価格路線から一歩進んだ「上質な空間・接客サービス」を打ち出す動きが各社見られる。

 これまで低価格帯のドトールコーヒーにおいても、高級喫茶店「神乃珈琲」の出店を加速。喫茶店本来の、ゆとりある接客サービスや寛ぎある空間が見直され始めているという。 

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