ホンダ、2019年からレッドブルへのF-1パワーユニット供給で合意

2018年6月19日 19:26

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(画像: Aston Martin Red Bull Racing)

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 ホンダは19日、FIAフォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)において、レッドブル・グループと、レッドブル・レーシングに対する2019年シーズンから2年間のパワーユニット(PU)供給について合意したことを発表した。これによりホンダは、2018年シーズンからパワーユニットを供給している、レッドブル・グループ傘下のトロ・ロッソ、とレッドブルの2チームに対して同一仕様のPUを供給し、2019年シーズンを戦うことになった。

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■合意までの長い道のり

 今シーズンから同じレッドブルグループのトロロッソに、ホンダがパワーユニットを供給することが決まった時点から、レッドブル本体への供給の可能性はささやかれてきた。しかし、合意まで至るまでは長い時間がかかっている。それは、ルノーとホンダのパワーユニットの開発状況を天秤にかけていたからと見られている。

 長年ルノーのカスタマーではあっても、実質的にワークス扱いされ供給されていたレッドブルではあるが、ルノーエンジンのパフォーマンスや開発スピードについて不満を漏らし続けてきており、ルノーが自らワークスチームを立ち上げてからは、その扱われ方にも不満がたまっていた。

 これは、メルセデスとマクラーレンが袂を分かった時と全く同じ状況で、メーカーではないF-1チームがトップチームとして生き残ることの難しさを物語っている。

■ホンダとルノーを天秤にかけたレッドブル

 レッドブルが、マクラーレンと異なるのは、支配下にあるトロロッソが、今シーズンからホンダのワークスチームとなったことで、ホンダエンジンのデータや開発状況が把握でき、ルノーと比較することが可能であることだ。

 しかし、現時点ではルノーエンジンの方がパフォーマンスは上であり、レッドブルも勝利を掴んでいる。対するホンダはカナダGPにおいてバージョンアップに成功したものの、まだルノーを超えてはいない。ではなぜそんなホンダを選んだのか。ホンダはマクラーレンとうまくいかなかったのに、なぜまたトップチームと組むのか。

■ホンダと組むメリット、レッドブルと組むメリット

 まず、レッドブル側のメリットとしては、トロロッソからワークス扱いを移譲されれば、パワーユニットはレッドブルの車体に合わせた仕様になり、このメリットは計り知れない。そして25億から30億円以上といわれるカスタマーとしてのパワーユニット代金を払わなくて済み、他に開発費用をまわせることになるだ。

 ホンダのメリットは、現在のF-1において最高と言われるシャシー性能と空力性能を持つレッドブルは、トロロッソと比較にならない結果をもたらすはずだ。そして、トロロッソとともに4台体制になることで、テストや実践で得られるデータは単純に考えても倍になり、開発スピードは飛躍的に上昇する。他チームへの供給を拒み続けたマクラーレンとはここが大きな違いだ。

■裏の事情

 そんなことで、今回の合意となったわけだが、2年契約というレッドブルの条件は、新しいルールとなる2021年シーズンをにらんだもの。新たにポルシェを始めとするメーカーの参戦が検討されており、特にポルシェと組むことを考えていると言われるレッドブルは、ホンダとまたしても天秤にかけると思われるのだ。

 ホンダとしてはビッグチームの思惑に振り回されるだけでなく、自ら供給するチームを選択できるぐらいの圧倒的な成果を出すことを期待したい。そのためには、レッドブルと組む2年の間にタイトルを獲得することが必要なのである。(記事:田中秀雄・記事一覧を見る

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