イオンと千葉市ら、千葉市の公道で自動運転車の実証実験

2018年5月17日 21:33

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 イオンと千葉市、群馬大は24日、千葉市美浜区の公道で自動運転車の実証実験を行う。千葉市で自動運転車が公道走行するのは初めて。イオンはデジタル技術を駆使して街づくりを進める「地域エコシステム」を打ち出しているだけに、実験結果をデジタル化の推進に生かす方針。

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 実証実験のコースは美浜区中瀬の幕張メッセ国際展示場9~11ホール1階南広場から、美浜区豊砂のイオンモール幕張新都心グランドモール間。熊谷俊人千葉市長、群馬大次世代モビリティ社会実装研究センターの小木津武樹副センター長、イオンの齊藤岳彦執行役デジタル事業担当らが試乗し、公道上の走行状況などを確認する。

 イオンは2016年、地方自治体と連携してデジタル技術を使った街づくりを展開する「地域エコシステム」を発表し、最先端技術の導入に力を入れてきた。

 これを受け、イオンはデジタル技術と金融を融合したフィンテック分野で、指紋認証だけでカードがなくても預金を引き出せる実証実験、宅配分野ではドローンを活用してワイン瓶を運ぶ実証実験、ロボット分野では閉店後のバックヤードでの在庫確認など、とても流通業者と思えないほど先進的な取り組みを進めている。

 自動運転も「地域エコシステム」構築に向けた柱の1つで、神奈川県藤沢市のイオン藤沢店を自動運転タクシーの公道実験場所として提供したのをはじめ、千葉市美浜区の豊砂公園で自動運転バスの試験運行をしている。

 デジタル技術の進歩で流通業界はアマゾン、楽天などインターネット通販の攻勢にさらされている。米国ではショッピングセンターの廃業が相次ぐなど、デジタル化の遅れは流通業界の危機につながりかねない。

 このため、イオンはクラウドファンディング、ビッグデータ、デジタルクーポン、スマートヘルスなどデジタル技術を使った新サービスの導入も進め、デジタル革命に乗り遅れないようにする考えだ。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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