苦境が続くガンバ大阪 低迷脱出のカギは? 

2018年4月25日 11:47

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 4月21日に行われたサッカーJ1リーグ、ガンバ大阪対セレッソ大阪はガンバ大阪が勝利し、今季2勝目を挙げた。

 開幕からの3連敗をはじめ、今なお苦境から抜け出せずにいる中、ダービーマッチで手にした勝利を浮上のきっかけと出来るか。

■再構築を図るも結果を残せず

 Jリーグでも実績のあるレイビー・クルピ新監督を迎えた今シーズン。ここまでリーグワースト2位タイとなる15失点を記録、攻撃面でもパスを繋ぎ相手を崩すスタイルを模索するも、3月10日の川崎フロンターレではシュート僅か2本に終わるなど相手ゴールを脅かす機会を作れない試合も目立っている。

 また、4月17日のアウェーでのV・長崎戦ではこんなシーンがみられた。すでに2点のリードを許していた後半16分、GK東口順昭からスローイングでのパスを受け、前を向こうとした遠藤保仁がボールを奪われ、こぼれたところをワンタッチで長崎MF中原彰吾がシュート、東口が飛びつくも届かず、ボールはガンバゴールへ吸い込まれていった。チームを支えるベテラン遠藤が相手のプレッシャーをかわし切れずに許した失点はこの日の敗北を決定付けるとともに、まさに低迷が続く今シーズンを象徴する場面だった。

■ダービーマッチでは守護神の負傷も

 21日のセレッソ大阪とのダービーマッチはPKで得た1点を守り切り勝ち点3を手にしたものの、この試合でも苦しい展開が続いた。先発メンバー4人を入れ替え、さらに遠藤保仁を2列目に配置し挑むも、攻撃で決定的な形を作り出すことはままならなかった。逆にセレッソに20本以上のシュートを浴びるなど、内容では圧倒された上での辛勝といえる。

 さらにこの試合、前半11分にGK東口が味方DFと交錯、顔の骨を折り途中交代している。後日、クラブから離脱が長期に及ぶことが発表され、日本代表でもある守護神・東口を欠く中で当面は立て直しを図っていかなければならない。

 但し、厳しい中にも希望はある。

 セレッソ戦では3人の若手の躍動が光った。東口の後を受けゴールを守り抜いた21歳の林瑞樹、中盤を支えた19歳の高江麗央は何れもこの日がリーグ戦初出場で勝利に貢献、後半からピッチに立った中村敬人は17歳ながらも今季すでに8試合に出場している。

 今後、シーズンが進むにつれ、若きプレイヤーたちがチームの行方を左右する存在へと成長を遂げることができるか。J2へ降格となった2012年以来の開幕からの3連敗となった今季、彼らのような新戦力を磨き上げていくことこそ、苦境から抜けだし勝利を手繰り寄せるための有効な手段の一つに他ならない。そして、それは名門・ガンバ大阪の伝統でもあるのだから。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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