平昌五輪・アイスホッケー男子はOARが優勝

2018年2月26日 15:45

印刷

 平昌オリンピック最終日、アイスホッケー男子決勝が行われ、OARがドイツを延長で4-3で下し金メダルを獲得した。1992年のアルベールビル五輪でCIS(独立国家共同体)として参加し優勝を遂げて以来7大会ぶりとなる優勝。ドイツの初優勝はならなかった。

■粘るドイツに対し伝統国の強さをみせた

 劇的な展開が続き、アイスホッケー競技の魅力を存分に堪能できる試合内容だった。

 第1ピリオド終了間際、残り1秒を切って先制点を挙げ、その後ドイツに得点を許して同点のままもつれ込んだ最終ピリオド。終盤の残り7分から、一気にゲームが動く。一時勝ち越したOARに対し、ドイツが直後に同点、さらには残り3分余りでついに逆転し3対2に。

 終了まで2分を切ると、OARはペナルティにより選手が1人少ない状態となりさらに劣勢に立たされる。それでもゴールキーパーをベンチに下げ、5人での攻撃を試みると残り55秒、相手ゴール前の混戦からこぼれたパックをニキータ・グセフがバックハンドでゴールに押し込み、土壇場で同点に追いついた。

 先に得点を決めたほうが勝利となる延長戦。3対3のまま進み、延長9分40秒、今度はドイツのペナルティによりパワープレーのOARが一気に畳みかけ、数的優位な状態からパスを繋ぎ、20歳のキリル・カプリゾフの強烈なシュートが決まり決勝点となった。

 OARは終始、強いまとまりと高い攻撃力を発揮、予選から勝ち上がり優勝候補カナダを破る快進撃をみせたドイツを振り切った。

 長きに渡りアイスホッケー界に君臨し続け、ソビエト連邦時代から数えて9度目の金メダル獲得。今大会はドーピング問題により個人資格での参加となったものの、旧ソ連時代から身にまとうの赤いユニフォームの誇りと、伝統国としての強さは変わることはなかった。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事