NEC、宇宙事業に参入

2018年1月11日 22:43

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「NEC衛星オペレーションセンター」の内観。(画像:日本電気発表資料より)

「NEC衛星オペレーションセンター」の内観。(画像:日本電気発表資料より)[写真拡大]

 NECは、宇宙利用サービス事業を4月から開始する予定だと発表した。「NEC衛星オペレーションセンター」と名付けられた事業拠点が、1月17日に打ち上げを予定されている高性能小型レーダ衛星「ASNARO-2」の地上システムパッケージ「GroundNEXTAR(グランドネクスター)」を利用して、衛星システムの運用を行う。

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 NECにはもともと、過去60年ほどにも渡って培ってきた、人工衛星の開発・製造、そして地上システム構築のノウハウがある。それをもとに、今回開発されたのがGroundNEXTARだ。衛星運用に必要な基本機能を備え、衛星運用の可視化、衛星からの撮影画像の配信、そして画像撮影などを行う。また、パッケージソフトの販売なども予定されているという。

 昨年11月に、「衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律」というものが施行され、衛星からの撮影記録に関して、法的な規制が行われるようになった。簡単にいえば、事業者が認定を受けてこれにあたらなければいけない形になったので、その事業をNECが行うことになった、ということである。NECが設立した日本地球観測衛星サービス(JEOSS)社は既に装置使用許可を取得し、衛星の製造開発、リモートセンシングデータの利用を伴う衛星システムの運用など、宇宙利用サービス提供事業者としての許可を取得している。

 衛星の製造から利用までの一貫した「宇宙ソリューション」を提供する事業者は、日本ではNECが初となる。衛星運用、リモートセンシングデータの撮影と提供、などを通じて、社会課題の解決に貢献するとともに、そのノウハウによって宇宙ソリューション事業を拡大し、社会の安心に貢献していくつもりである、とNECは述べている。

 なお、売り上げ目標は今後3年間で50億円であるという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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