ブラザー工業、冬になったのでヤギによる除草を終了

2017年12月28日 05:38

印刷

のびのびと草を食べていたヤギ。(画像:ブラザー工業発表資料より)

のびのびと草を食べていたヤギ。(画像:ブラザー工業発表資料より)[写真拡大]

 ブラザー工業と、その子会社である三重ブラザー精機は、敷地に雑草が茂って困っていたので、ヤギによる除草を行った。9月19日から12月15日まで約3カ月行われたヤギによるエコ除草は、冬を迎えたので、無事に終了となった。

【9月から開始】ブラザー、三重県の拠点でヤギによる「エコ除草」を初実施

 三重県にある三重ブラザー社の敷地内には、雑草がよく茂る場所があった。人の手で草刈りが行われていたのだが、何しろ雑草であるので際限がなく、大変な手間であった。そこでヤギ2頭を導入してこれに草を食べさせたところ、人間による除草の手間は、従来の4分の1にまで短縮された。担当者からは歓びの声が上がっているという。

 ちなみに、ブラザー工業がどこからどういう形でヤギを用意してきたのかは発表されていないが、エコ除草という方法論自体はほかの、たとえば自治体などでも導入されている例があり、それを目的としたヤギのレンタルを行っている牧場なども日本各地にある。

 このエコ除草によってもたらされた効果は、単に雑草がなくなるというだけのものではなかった。草刈り機を使わず、環境に配慮した除草が行われたので、環境保全について従業員に考えさせる機会をもたらしたほか、敷地内でのびのびと草を食べるヤギの姿は、人々に大いなる癒しの効果をもたらしたという。なお、休憩時間にヤギに野菜などを与える従業員の姿も見られ、ヤギたちは愛されていたということである。

 ブラザーグル―プは、かねてより「Brother Earth」という環境スローガンをかかげ、海洋生物の保護、熱帯雨林の保全などにも力を入れている。諸外国で、その地域に根差した生物多様性の保全活動に取り組んできたのである。ヤギによる除草も、単純なことのようではあるが、その一環のひとつに位置づけられるというわけだ。

 今後としては、三重ブラザーの工業敷地内に森を作っていきたい、という。生物多様性の豊かな森を形成することをめざし、地域の植物の苗などを植えていく方針であるという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事