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タンパク質で出来た、活性酸素を除去する「マイクロマシン」が開発される
タンパク質マイクロマシンの形状。(a) マイクロマシンの断面像 、(b) マイクロマシンの3次元再構築像。(画像:産業技術総合研究所発表資料より)[写真拡大]
産業技術総合研究所(産総研)は、活性酸素を除去する機能を持ったマイクロマシンを、タンパク質だけを材料に作成することに成功した。
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ナノマシン、という言葉はかなり人口に膾炙するようになってきた。マイクロマシンというものも、本質的にはそれと同じである。ただ、ナノマシンよりはサイズのスケールが若干、大きい。
活性酸素は、酸素の分子が、より反応性に高い化合物へと変化したものの総称である。細胞を傷つけ、炎症を引き起こし、生活習慣病や、老化など、さまざまな悪影響を及ぼす存在として知られている。
今回開発されたマイクロマシンは、活性酸素を除去するタンパク質であるスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)と、さまざまな薬剤と結合するタンパク質、血清アルブミン、そして標的となる、活性酸素を出す細胞を捕捉するタンパク質である抗体の3つから構成されている。いずれのタンパク質も、天然素材由来で構築することが可能だ。
タンパク質は生体の主要材料だ。さまざまな機能を持つが、そもそも生体との親和性が高いものであるので、安全な素材として有望なものでもある。難点としては、壊れやすい構造を持つということで、技術的にはその部分に対するブレイクスルーが求められるところである。
抗体は細胞を捕捉、SODが活性酸素を除去し、抗炎症薬が放出されて活性酸素の生成が抑えられる。炎症性疾患など、さまざまな病気を対象とした治療法の開発が期待できるところだ。具体的には、炎症性サイトカインに結合する抗体を組み込み、潰瘍性大腸炎、そしてクローン病を治療するタンパク質マイクロマシンの開発が予定されており、バイオセンサーの開発にも応用される見込みであるという。
なお、研究の詳細は、学術誌Biomaterialsにオンライン掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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