9月の全国百貨店売上高、訪日外国人客の好調で4.4%増

2017年10月24日 07:12

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 日本百貨店協会が23日に発表した9月の全国百貨店売上高は4,351億円余りに達し、前年同期に比べて4.4%増(店舗数調整後)となった。訪日外国人客の消費が過去最高の売り上げを記録したほか、秋冬物を中心に衣料品が好調で推移したことが寄与している。これにより、1~9月の累計も0.2%増とプラスに転じた。

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 訪日客向けの免税売上は全体の5.3%を占める232億円で、前年同期比86.4%増を記録した。一段の円安を背景に訪日客の購買意欲が高まったことから、高額商品が活発に売れ、客数で53.4%増、購入単価で21.6%増と高伸している。国内富裕層も株高を好材料に活発な動きを示し、国内顧客も前年同期を1.9%上回った。

 商品別では、気温低下と季節需要の盛り上がりを受け、衣料品が23カ月ぶりのプラスとなる2.4%増を達成した。化粧品は30カ月連続プラスの28.5%増、美術品や宝飾・貴金属など高額商品は6カ月連続プラスの11.1%増と引き続き好調。高級ブランド品を含む身の回り品も2カ月連続のプラスを記録した。

 逆に、不良不作の影響で動きが鈍い生鮮食品が2.3%減少したことから、食料品全体は0.6%減になった。家庭用品も低価格志向に押され、3.1%減と振るわなかった。

 地区別では、大阪地区が13.9%、名古屋地区が13.8%と高額商品の好調を受けて大きく伸びたのをはじめ、10大都市のうち、神戸、広島の両地区を除く8地区が前年実績を上回った。10大都市全体の伸びは6.8%で、東京地区も4.6%の増加を示している。

 一方、地方は0.8%減で、減少幅を縮めてほぼ前年並みまで戻したものの、5カ月連続のマイナス。だが、四国地区は1.6%、中国地区は1.5%、関東地区は1.3%の伸びを記録、回復基調をうかがわせた。関東地区は2カ月連続、四国、中国の両地区は5カ月ぶりのプラス。

 中期傾向を示す3カ月平均値は1.4%増と2期連続で上昇し、6~8月の0.5%増からさらに伸びている。ただ、入店客数の増減については、有効回答を寄せた131店のうち、38店が「増えた」、36店が「変化なし」、57店が「減った」と答えた。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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