米政府、ノートPCを旅客機の預入手荷物に入れないよう求める

2017年10月23日 16:12

印刷

記事提供元:スラド

米連邦航空局(FAA)が国際民間航空機関(ICAO)に対し、大型のパーソナル電子機器を国際線旅客機の預入手荷物に入れることを禁止するよう提案しているそうだ(Chicago Tribuneの記事Consumeristの記事)。

FAAでは満充電のノートPCを入れたスーツケースを用い、10種類のテストを実施。ヒーターでバッテリーが熱暴走するまで加熱してバッテリーの過熱状態を再現している。ドライシャンプーのスプレー缶(預入手荷物に入れることが認められている)をノートPCにくくり付けたテストでは、ほぼ瞬時に発火して燃え広がり、缶は40秒以内に爆発したそうだ。

このケースでは火の回りが速く、スプレー缶が爆発する前に消火システムが動作しなかったという。爆発は機体にダメージを与えるほどではないが、貨物室にダメージを与えるには十分であり、消火システムのハロンガスが抜けて消火できなくなる可能性もある。また、預入手荷物に入れることが認められているマニキュアリムーバーやハンドサニタイザーなどと組み合わせたテストでは、爆発はしなかったものの火が大きく燃え広がったとのこと。

FAAはテスト結果を踏まえ、航空会社が許可しない限り乗客が大型のパーソナル電子機器を預入手荷物に入れることは認められるべきではないと述べているそうだ。この提案には欧州航空安全局(EASA)やエアバスなどが賛同しているという。ただし、FAAによればスマートフォンよりも大きなパーソナル電子機器はほとんどが機内に持ち込まれているとのことで、預入を禁止しても大きな影響はなさそうだ。

米国ではこの春、中東から米国への直行便でスマートフォンよりも大きなパーソナル電子機器の機内持込を禁止し、預入手荷物に入れるよう求めていた。持込制限は7月に終了しているが、EASAはリチウム電池を含む機器を機内持込にすることが望ましいと述べていた。

 スラドのコメントを読む | モバイルセクション | モバイル | セキュリティ | 電力 | 変なモノ | ノートPC | 交通

 関連ストーリー:
米空港、機内に持ち込まれる電子機器の保安検査強化へ 2017年07月29日
米国行き直行便機内への大型電子機器持ち込み制限終了、空港に導入された保安検査技術とは? 2017年07月23日
米国、旅客機への大型電子機器持ち込み制限終了へ 2017年07月20日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事