米上院・予算決議案可決でドル高に追い風 10月20日のドル円為替

2017年10月20日 13:21

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 注目されている次期FRB議長だが、一部の報道によると、最もタカ派とされているティラー教授よりもパウエルFRB理事が選ばれる可能性が高まってきている。パウエルFRB理事はムニューシン財務長官からも支持されているが、ハト派寄りのためにこの報道がドルの上値を重くする結果となっている。

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 本日はゴトーの日にあたり、仲値のために1ドル112円台半ばまで強引にドル買いが進んだが、ちょうどそのタイミングで米国から上院で予算決議案が可決したというニュースが飛び込んできた。51対49という接戦であった。これにより下院の可決の可能性も高まるとしてドル買いが加速した。10月20日6:00(すべて日本時間で表示)ごろには1ドル112円36銭まで下落していたドルだが、11:00には1ドル113円31銭まで回復している。米国の10年債利回りも2.29%まで落ち込んでいたのが2.35%まで持ち直した。

 前日の19日は、次期FRB議長にパウエルFRB理事が指名される可能性が高いとして、21:30には1ドル112円30銭までドルが売られた。15:30ごろには1ドル113円15銭だっただけに大きく値を下げたことになる。

 しかし21:30に10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表されて27.9と、事前予想の22.0を大きく上回った。さらに同時刻に発表された前週分の失業保険申請件数も事前予想の24.0万件から大きく改善され、22.2万件となった。失業保険継続受給者数も事前予想の189.0万人から改善されて188.8万人となっている。好調な経済指標が反映されてドルは反発し、22:15までに1ドル112円62銭まで回復した。23:00には9月景気先行指数が発表されて、-0.2%と事前予想の+0.1%を下回ると、再び1ドル112円33銭までドルが売られた。トレンドとしてはやや円高ドル安だったのだ。

 4兆ドルに及ぶ予算議決案可決はドル買いの大きな材料となった。トランプ大統領の掲げる大規模税制改革も軌道に乗る可能性が高まってきている。来週も警戒が続く北朝鮮情勢だが、こちらの地政学リスクがさらに後退すれば、ドルの上値は限定的ではなくなるだろう。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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