理研・東大・JST、布地に貼り付け洗濯もできる超薄型太陽電池を開発

2017年9月20日 11:57

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衣服上に貼り付けた超薄型有機太陽電池の洗濯写真。(画像:理化学研究所発表資料より)

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 理化学研究所(理研)と東京大学、科学技術振興機構(JST)からなる共同研究グループは、超薄型で、洗濯も可能な伸縮性と耐水性を持つ有機太陽電池の開発に成功した。

【こちらも】理研、塗って作れる有機薄膜太陽電池の変換効率を10%に向上

 生体モニタリングなどを目的としたウェアラブルデバイス、e-テキスタイル(電子機器の埋め込まれた布素材。スマートテキスタイルともいう)等への応用が期待できる。

 衣服に貼り付ける太陽電池は、高い環境安定性、機能的柔軟性、そして高いエネルギー変換効率、この3つの要素を同時に満たさなければならない。従来の有機太陽電池には、それを実現するものはほぼ存在しなかった。

 例えば、非常に薄いフィルムを利用した太陽電池は、フィルム表面に平坦性を確保しなければならず、またガスバリア性(気体の透過を防ぐ性質)が非常に低くなってしまうことから、高い性能を発揮できず、長時間の安定動作にも適さなかった。

 今回、研究グループは、2012年に理研の別の研究グループが開発した半導体ポリマー「PNTz4T」を用いて、厚さ1マイクロメートル(1,000分の1ミリメートル)のパリレン基盤(高分子材料の一種)の上に逆型構造と呼ばれるタイプの有機太陽電池を作製、全く新しい超薄型太陽電池を作り出すことに成功した。

 この太陽電池は、高いエネルギー変換効率を持つ。具体的には、7.9%の変換効率を達成している。過去に報告されている柔軟性の高い有機太陽電池の効率の上限は4.2%であるので、倍近い性能向上が見られたことになる。また、この太陽電池は、約50%まで潰しても安定的に駆動するという、高い機械的柔軟性を持つことも明らかになった。

 さらに、この太陽電池をゴムによって双方向から挟むことで、非常に高い耐水性も与えられた。120分間水につけても、エネルギー変換効率は5%程度。また水滴を垂らしながら伸縮を繰り返した場合でも、元の機能の80%が維持されたという。

 なお、研究の詳細は、英国の科学雑誌『Nature Energy』に掲載されている。(藤沢文太)

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