マーケットエンタープライズの今期業績予想は2ケタ増収大幅増益で黒字転換を見込む

2017年8月21日 09:15

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■前期より農機具の買取と、「宅配レンタル」ビジネスへのトライアルを開始

 マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)の今期業績予想は、2ケタ増収大幅増益で黒字転換を見込む。

 18年6月期連結業績予想は、売上高66億円(前期比17.2%増)、営業利益55百万円(前期△07百万円)、経常利益51百万円(同04百万円)、純利益29百万円(同△19百万円)を見込む。

 前期17年6月期は、中長期的な収益基盤の確立に向けた先行投資を実施してきたことから、赤字となった。

 前期の主な取組としては、農業従事者の高齢化に伴い、離農者が増加する一方で、国策による就農支援が活発化していることから、中古農機具の需要が高まっていることから、農機具の取り扱いを開始した。  農林水産省の発表によると、新規就農者数は、13年5万810人、14年5万7650人、15年6万5030人と増加傾向にある。  同社では、不要となった中古農機具の処分ニーズの高まりとともに、一方で、新規就農者数の増加に伴う農機具需要が同時に発生していることから、同社のサイト「高く売れるドットコム」に農機具買取コーナーを設け、買取を開始している。同社では、中期的な収益基盤の拡充を目指し、「農機具」の取り扱いを開始している。

 また、「宅配レンタル」ビジネスへのトライアルを開始している。これまでのネット型リユースで培った、多種多様な商品仕入れ、取扱いノウハウを活かし、冠婚葬祭や旅行時など、「非日常時の利用」や、試しに使ってみたい「試利用」ニーズに対応する。そのために、「ReReレンタル」サイトを通じ様々な品揃えを行っている。

 今期18年6月期は、立ち上げたビジネスの充実と拡大のために前期に引き続き戦略的投資を行うものの、売上の拡大により、黒字化を見込んでいる。

 今期の取組としては、短期施策として買取基盤の更なる充実、中期施策として、販売力の強化、長期施策として「レンタル」ビジネスの本格稼働に向けた布石を掲げている。

 買取基盤の更なる充実を図るためには、事業拠点(リユースセンター)の新設により、「買取依頼数」と「出張買取」商圏の拡大を図るため、9月中旬に西東京リユースセンターを新規開設する予定。更に、今上期中に1拠点の新規開設を予定している。  また、データに裏付けられた、効率的な事業運営を推進するために、AIの開発・導入を目指す。そのために、データサイエンスに関する専門部署を設立し、これまでの蓄積データから、買い取り成約に至るプロセスを解析し、属人性を低減し、事業運営の効率化を目指す。

 中期施策の販売力の強化策としては、販売価格の適正化を実現するために、相場動向を可視化し、リユース品のプライシングに特化した専門部署を設立する。  また、販売力の強化策として、会員制度を設立する。販売面でのマーケティング、顧客管理によるリピーターの創造に努める。例えば、ポイント制度の導入や、買取サイド・販売サイドの双方における顧客資源の有効活用を図る。

 長期施策として、本年閣議決定された「未来投資戦略」である「シェアリングエコノミー」へのチャレンジとして、「レンタル」ビジネスの本格稼働に向けた布石を打つことを挙げている。  既に、「空間」のシェアとして、民泊、駐車場、会議室等の施設のシェア、「移動」のシェアとして、ライドシェア、シェアサイクル、「スキル」のシェアとして専門スキル、家事代行、「お金」のシェアとしてクラウドファンディング等が始まっている。そこで、同社では、「モノ」のシェアにターゲットを当て、不用品の販売、物品のレンタル事業を開始する。  総務省の発表によると、2013年のシェアリングエコノミーの世界市場規模は150億ドルであったが、2025年には3350億ドルまで成長すると見られていることから、今後の同社のレンタルビジネスの展開が注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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