ファストフードは堅調、回転ずし・そばうどんが好調 17年見込み

2017年8月12日 09:55

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 富士経済は国内14カテゴリー138業態の外食産業市場を調査・分析し、3回にまとめる結果の1回目としてファストフード、テイクアウトなど6カテゴリー66業態の調査結果をまとめた。

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■ファストフード市場 2兆9682億円(2.5%増)〈17年市場見込み(16年比)〉

 回転ずしや天丼・天ぷら、とんかつ・かつ丼らが好調。マクドナルドも既存店の改装や差別化した商品により回復に向かい、新規参入のプレミアムハンバーガーも順調に推移していることから市場全体が拡大している。プレミアムハンバーガーは高まる健康志向により日本でもブームに火がついたことで、チェーン店舗数増加による市場続伸が期待できるという。

 回転ずしは続伸。景気の変動により多くの外食店が苦戦するなか、ファミリー層をはじめ多様な需要と取り込んでいる。上位チェーンは引き続き店舗を増やし、都市部への出店を加速させると見られている。「熟成マグロ尽くし」や「ふぐフェア」といった各チェーンごとのフェアメニューも強化されることから市場拡大が見込まれる。

 立ち食い・セルフ式そばうどんも伸長。かつては男性客が大半だったが、「丸亀製麺」や「はなまるうどん」が女性やファミリー向けの開拓に成功したことで市場は依然堅調に拡大している。

■テイクアウト市場 7兆3535億円(2.2%増)〈同上〉

 量販店の惣菜部門とコンビニのテイクアウト(CVSテイクアウトフード)が成長。CVSテイクアウトフードは、カウンターコーヒーの定着やサンドイッチのリニューアルなどトレンドを意識した商品が市場を牽引。品質面の強化により女性や高齢者の利用が増加したことも市場拡大に貢献した。今後は人手不足により、チェーン店の増加は落ち着くと見られている。

■その他、ホームデリバリーやレジャー施設、給食など

 ホームデリバリー・ケータリング市場は病者・高齢者宅配のタイヘイの撤退、宅配ピザ・宅配ずしの前年割れが響き前年比0.4%減の1兆1709億円と市場は縮小が見込まれる。交通機関市場は列車内食が堅調、機内食や客船食堂もインバンド効果により前年比1.3%増の1035億円と好調である。今後も円安を追い風に市場拡大が見込まれる。

 レジャー施設市場は健康ランド、映画館・シネコン、ギャンブル場などの減少により前年比0.2%減、9750億円と縮小が見込まれる。一方で、ゴルフ場や野球場などは女性客の開拓が奏功したことで成長している。給食市場は高齢者福祉施設の新規需要や有料老人ホームの新設、こども園の施設増加により前年比3%増の4兆430億円と産業給食や学校給食の落ち込みを防いでいる。

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