混雑緩和の救世主となるか?東急電鉄が「東急線アプリ」をリニューアル

2017年8月10日 21:50

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「東急線アプリ」の画面イメージ(写真: 東急電鉄の発表資料より)

「東急線アプリ」の画面イメージ(写真: 東急電鉄の発表資料より)[写真拡大]

 東急電鉄は、2013年3月に発表した「東急線アプリ」をリニューアルし、2017年8月21日より、列車遅延情報をはじめとする情報提供サービスを開始する。

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 これまでの「東急線アプリ」は遅延証明書の発行などをはじめとする13の機能があったが、今回のリニューアル版ではさらに新機能2つを追加し、利用客の利便性を高めたものとなっている。

 新機能の1つである「入場規制情報表示機能」は、昨今の異常気象や荒天などによる運行の遅延や乱れに対応したもので、利用者の安全確保のため混雑などによるホームへの入場規制を行っている場合や、入場規制が予想される混雑が発生している場合に、アプリ内にいち早く表示するサービス。こうした試みは業界初でもあり、混雑緩和の一助になるという期待も高い。

 さらに、これも業界初となる新機能「駅間time」は、駅間の所要時間を実績ベースで表示するという画期的なもの。これまで遅延時の駅間にかかる「予測所要時間」の算出は、ダイヤからの遅れを元に10分加算して算出するというものだったが、「駅間time」では現時点で先に到着した列車がかかった時間をベースに「実際の所要時間」を示すため、予測到着時刻などの正確性が格段に上がるというものだ。

 また、先に配信されているサービスもリニューアル時にバージョンアップしており、新機能と既存機能の組み合わせにより、遅延などによる乗り換えなどで利用者にとって最適な代替ルートの表示や、正確な到着時刻の表示ができることとなる。他にも、「東急線アプリ」導入時にはわずか主要駅2つの試験的なものであった「駅視-vision」は4駅を追加して合計6駅で運用されるようになり、駅の混雑状況をリアルタイムで確認できるようになった。

 東急電鉄はすでに新しいアプリケーションの配信を開始しており、無料でダウンロードできる(通信費は利用者負担)。運用開始は8月21日。夏休みが終わる直前でのタイミングも、新学期が始まり、沿線の学校に通学する学生などの動向も踏まえ、今後のアプリのリニューアルに役立てたいとの同社の意向が推測できる。

 総務省の調査によると2015年のスマートフォン所有率が64.2パーセントにのぼっており、急速にその数字を伸ばしていることから、今後も利用者は増え続けると見込まれる。東急電鉄はすでにインフラ整備を2013年の導入当時から進めており、このタイミングでの「東急線アプリ」のリニューアルは、スマートフォンの利用者に特化してのものとなった感が強いが、スマホ利用者の利便性を高めると同時に東急線の混雑緩和にも寄与するものとなりそうだ。(記事:M_imai・記事一覧を見る

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