最上もが、中元日芽香…相次ぐ脱退・卒業の影にあるもの・・

2017年8月7日 18:08

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 8月6日夜、大きなアイドル関連のニュースが立て続けに報じられた。まず、乃木坂46の中元日芽香が、自身がパーソナリティを務めるラジオ、『らじらーサンデー』の中で、体調不良を理由とする卒業を発表、続けて、人気アイドルグループでんぱ組.incの最上もががグループからの脱退を発表した。

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 でんぱ組.incは、「秋葉原から世界へ」をキャッチフレーズに、それぞれディープなオタク少女をアイドルにするコンセプトで活動してきた人気グループ。中でも最上もがは、グラビア、ドラマ出演などで知名度が高く、ソロ仕事が最も充実していたメンバーでありながら、グループが大好きであることを何度も公言しており、何度か体調不良での休養はありながらも脱退は否定してきていた。

 今回も、なんとかソロ仕事とグループ活動を両立させようと話し合いを重ねてきたらしいが、方向性の違いもあり、脱退を決意したという。

 一方の乃木坂、中元日芽香は、アンダーが長かったが、ここ2回は選抜に入り、まさに叩き上げの苦労人。妹にはBABYMETALで活躍する中元すず香がおり、歌唱力の高さとアイドル性は広く評価されていたが、今年早々に体調不良での休養期間があり、ようやく復帰したものの、まだ完調ではないということで、卒業ということになった。

 それにしても、まだまだ伸び代があり、今後の活躍が期待できそうなメンバーが、体調不良、心身不良で卒業を選ぶということが立て続けに起きているというのも、残念な話だ。

 先日は、欅坂の平手友梨奈が公演中に倒れたというニュースもお伝えしたし、ハロプロでも怪我や急病で休養をするアイドルが増え、私立恵比寿中学の松野さんのように亡くなってしまうアイドルすらいる。

 多くのファンが、このことで運営や事務所のスケジューリングへの不満、怒りをSNSで発信している一方、「昔のアイドルはもっと忙しかった」「ピンクレディーやWinkは平均睡眠時間が3時間ぐらいだった」などと、体調不良で夢を諦めることを決断した女の子には酷な暴言を吐いて攻撃するものもいる。

 しかし、30年以上前のトップアイドルと違い、今や、「普通の子」がアイドルになる時代であり、アイドルの数そのものが増えているし、地下アイドルを筆頭に、マネージャーも1人のアイドルに複数の人間が付いて採算が取れる時代ではない。

 その一方で、SNSやネットの普及により、プライバシー侵害、誹謗中傷、フェイクニュースによる人権侵害にまで悩まされる日々であり、精神的負担は当時のアイドルの比ではない。今回の2人の卒業に関しても、「やっぱりな」「いらない」という暴言もあれば「ほかに辞めるべき奴がいるだろう」と嫌いなアイドルへの中傷に利用する非常識な書き込みをする人間まで現れている。

 運営やアイドル本人の手の届かないところでの卑劣な攻撃を「有名税だから」「自己責任だから」と我慢させていると、本当に病んでしまい、活動休止に追い込まれるアイドルが増えてしまう可能性もあり、せっかくここまで盛り上がってきたアイドル文化が破壊されてしまう可能性も低くはない。

 一部の運営は、SNSでの誹謗中傷の書き込みには即座に削除依頼をし、程度によっては告訴する準備もしているというが、こんなに残念な企業努力もないだろう。

 好きなアイドルが、少しでも気持ちよくパフォーマンスをできるように応援するのがファンだろう。

 誕生日に自腹でメンバーのポスターを貼る生誕委員会や、握手会やライブ会場で最後までゴミ拾いを行っているファンクラブの人たちの努力をあざ笑うかのように、グループを苦しめている自己中な厄介者が少しでも減ることを祈りたい。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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