不安を抱える欅坂46のメディア戦略

2017年6月18日 21:08

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 デビュー曲『サイレントマジョリティー』が大ヒット。デビュー年に紅白出場を果たし、さらに2、3、4枚目のシングルも右肩上がりで、今、乗りに乗っている欅坂46。

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 先日は、初めてのアルバム(タイトル未定)が7月19日に発売することも発表され、さらなる躍進が期待されているのだが、グループとしての評価、知名度が高い割には、メディア、特にテレビ番組への出演が非常に少ないことが不安視されはじめた。

 乃木坂を含めた坂道グループは、AKBGのように劇場公演がないので、どうしてもメディア露出が重要視されてしまう。初期から、冠番組を持ち、音楽番組や朝のワイドショーなどにも積極的に出演し、さらにはネット番組などにも出ることで、トーク力を鍛え、外の番組からのオファーを受けていくというのが理想である。

 乃木坂も、デビュー前から『乃木坂ってドコ?』(テレビ東京系列)という番組を持ち、公式サイトではアンダーメンバーだけで作られていた『乃木坂ってココ』という映像を流していた。

 今は、さらに『NOGIBINGO』(日テレ系)、アンダー向けには楽天が配信している『のぎ天』というネット番組があり、さらにメンバー個人で、ラジオ番組やネット番組のレギュラーMCなどを勤めている者も多い状態だ。ここで力をつけた秋元真夏や斉藤優里、衛藤美彩といったメンバーがピンで番組に出演し、ある程度ブッシュされていた生駒里奈や白石麻衣などと共に、メディア露出を増やしつつある。

 その乃木坂に比べると、欅坂は冠番組こそ『欅って書けない』『KEYABINGO』と乃木坂同様に用意されてはいるのだが、そこから外番組に繋がるメンバーがなかなか出てこられない。

 センターの平手は知名度は高いが、最年少で出演できる番組に制約があるし、そもそもそれほどトークが上手い印象はない。

 キャプテンとしてライブMCを担当することが多い菅井は、滑舌が悪いのと、おっとりしたキャラクターで、会話を弾ませるのに、多少のテクニックが必要になる。ビジュアル担当のW渡辺も、トークにはかなりの弱点を抱えている。

 現状、多少なりとも冠番組でトークの起点や回し役になれるのは、志田愛佳や織田奈那、長濱ねるあたりになるのだろうが、どちらかというと受け身からのトークしかできないタイプのため、現状結果は出ていないのである(乃木坂も多くはそうだが、秋元真夏という天才がいるのは大きい)。

 また、ドラマも現在放送されている『残酷な観客たち』は、マニアックすぎて、さらに物語として破綻している(ように見える)ため、ファンですら見ないものが増えており、視聴率は低く、女優仕事に結びつくかというと疑問視せざるを得ない。

 パフォーマンスには定評があり、曲も売れるのだが、MVなどでイメージされる欅坂のカラーというものが、いまいち外ではヒットしないのである。足かせになっているとまでは言えないが。

 そこで記者が期待したいのは、小池美波である。

 現在、関西のMBSラジオ『ザ・ヒットスタジオ』で、吉田照美と共に番組をやっているのだが、声質のよさと、会話のテンポのよさは、デビューしたてのアイドルとは思えないほどの完成度で、ベテランパーソナリティーの吉田照美が太鼓判を押すほどはまっており、テレビ番組で見せるおっとりとして引っ込み思案な少女のイメージとのギャップが素晴らしいのである。

 もともと関西出身ということもあるが、彼女を切込み隊長に、多くのメディア露出を期待したいところだ。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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