欅坂46が直面する「2年目のジンクス」

2017年2月28日 21:33

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 ずらりと並んだ21人の少女たちが、一人一人名前を呼ばれる。
 呼ばれて立ち上がったメンバーも、それを見送るメンバーも、先に名前を呼ばれたメンバーも、まるで死刑囚が名前を呼ばれている風景であるかのように、固く、緊張して、顔を引きつらせている。
 そして、最後に名前を呼ばれたメンバーは、感想を聞かれ、絞り出すような声で「頑張ります」と答えると、頭を垂れた……。

 これは残酷なショーではない。
 2月26日深夜に放送された『欅って書けない?』という番組内における、欅坂46の4thシングルの選抜発表のシーンである。

 欅坂46のメンバーは20名。そこに遅れて参加し、「けやき坂」(ひらがなけやきと呼ばれている)の長濱ねるを加えて21名。(2期生は参加していない)
 そして選抜メンバーもあらかじめ21名と発表されている。
 つまり、選抜発表とは言うものの、全員が選抜であることは、ほとんどの人はわかっており、あとはポジションがどうなるかというだけの話である。
 AKBや乃木坂のように、アンダーとして選抜に漏れてしまう不安はないはずなのに、この重苦しさは、少々異様に映る。
 まして、4枚連続してセンターに選ばれた平手友梨奈の笑み一つない、暗い口上は、番組を見ていた視聴者も、驚きを隠せなかったようだ。

 昨年、デビュー曲の「サイレントマジョリティー」が大ヒットし、有明コロシアムでのファーストライブ、さらにNHK紅白歌合戦にも出場を決めた、今、一番勢いのあるアイドルグループであるはずの欅坂46だが、年明けから、その勢いに陰りが見えている。
 先輩グループの乃木坂46は、昨年、アンダーの精神的支柱だった永島聖羅、続いて最年長で聖母と親しまれた深川麻衣が卒業、今年に入っても、ずっとフロントを務めてきた人気メンバー、橋本奈々未が卒業、さらに芸能界引退ということで、勢いも落ちるかと思いきや、その卒業で話題を独占し、さらに写真集ラッシュで、白石麻衣、齋藤飛鳥らが、水着やセクシーショットを解禁するなど、攻勢を強めてきている。
 さらに、まだお披露目会をしただけの3期生も逸材揃いで、早くも雑誌のグラビアなどに進出。一足早くデビューした欅坂の2期生の存在感が、一気に希薄になってしまったのも痛かった。

 欅坂もメンバーは、冠番組などで頑張って存在感を残しているのだが、いかんせん、冠以外の番組に呼ばれることが少なく、センターの平手だけが目立ってしまう状況になってしまっている。
 最年少の平手にしてみれば、嬉しさはあろうが、それ以上に重圧や責任感に苛まれてしまうのだろう。
(事実、3rdシングルの選抜発表では、笑顔を見せた平手を攻撃する書き込みが相次いだ)

 AKBの敷いた路線を利用したといわれている乃木坂ですら、ブレイクするまでには3年近い年月を要したが、その乃木坂の路線を利用した欅坂は、1年で紅白出場と、実際、内部でどんな葛藤や努力があろうと、表からは「恵まれた環境」に見えてしまう。
 無邪気で素直なリアクションをすればするほど、今のファンというのは物足りなさを感じてしまうものなのだろう。
 そのことを察知しているのか、あるいは運営から言われたのかもしれないが、選抜発表の重苦しい雰囲気になってしまうのは残念だ。

 今回、話題の限定ユニット、坂道AKBでも、センターを任された平手を中心に、まだまだ隠された魅力がつまっている欅坂46。
 どうか、笑顔で楽しそうにパフォーマンスを見せて欲しいものだ。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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