NYの視点: ECBの利上げを言及するのは時期尚早

2017年6月9日 07:52

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記事提供元:フィスコ

*07:52JST NYの視点: ECBの利上げを言及するのは時期尚早
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の定例理事会後の会見を受けて、アナリストはECBによる金利正常化に言及することが「かなり時期尚早だ」との見方を強めた。

ECBは定例理事会で市場の予想通り政策金利を過去最低水準で据え置きくことを決定。同時に声明の中で、「金利を引き下げる可能性がある」との文言を削除し追加利下げ打ち切りを表明した。ドラギ総裁は会合後の会見で、デフレリスクが低下したためフォワードガイダンスを変更したことを明らかにした。さらに、成長に関してのリスク評価を引き上げ「概ね均衡」とした。また、ECBは成長見通しを上方修正した。

一方で、ECBはインフレ予測を下方修正。ドラギ総裁は原油価格以外で、インフレに大幅な変化が見られないとし、基調は「依然低い」との見方を維持した。デフレリスクも「低下(dissipate)した」としたが、「消滅(disappear)した」とは言及していない。また、必要とあれば、利下げも可能だと言及。このため、大方のアナリストは利上げの時期の予想を先送り。ECBによる金利の正常化は2018年に持ち越されるとの見方が強まった。《HT》

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