『夏目友人帳 陸』(夏目友人帳 6期) 第5話「縛られしもの」【感想レビュー】

2017年5月15日 11:26

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『 夏目友人帳 陸 』(夏目友人帳 6期) 第5話「縛られしもの」【感想レビュー】©緑川ゆき/白泉社・「夏目友人帳」製作委員会

『 夏目友人帳 陸 』(夏目友人帳 6期) 第5話「縛られしもの」【感想レビュー】©緑川ゆき/白泉社・「夏目友人帳」製作委員会[写真拡大]

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 今回は祓い人である名取さんと、引退した祓い人を父に持つ月子さんのエピソード。その後半です。前回はホラー要素の感じられる内容でしたが、今回は――。

■起:襲いかかる妖


 前回の続き――ということで、開幕から夏目が妖に襲われます。というか、襲われています。

 「おまえ見えるな。開けて開けて」「入れろ入れろ」

 と、なぜだか家に入れないらしい妖は、窓から手を伸ばし夏目を掴みます。そこに変身(本来の姿ですが)中のニャンコ先生が現れ、

 「いつまで私の獲物に手をかけている」

 と妖を一括。助けてくれるけど、いまだに夏目を獲物と呼ぶ先生。素直じゃないんだか。

 さらに、前回、月子さんの父であるタクマさんの式だったと判明した、お手伝いさん風のおばあさん妖も登場。夏目の味方をし、窓の妖を追い払います。

 「おまえを助けたわけではない」

 あくまで、タクマさんの家を荒らさないためだと主張するおばあさんですが……ツンデレっぽいです。

■承:タクマさん、ようやく登場


『 夏目友人帳 陸 』(夏目友人帳 6期) 第5話「縛られしもの」【感想レビュー】

画像引用元:©緑川ゆき/白泉社・「夏目友人帳」製作委員会

 タクマさんの元式は全部で三体います。壁の外にも別の妖が徘徊していて、中に入れろと主張してきます。

 そんな中、夏目は祓い人として危険な仕事をしている名取さんのことを心配します。けれど、名取さんもまた無茶ばかりする夏目のことを心配していました。

 夏目は普通の生活をするべきだ――そう名取さんは語りますが、友人帳を持つ以上、そうはいきません。

 そしてそこに、ついに留守にしていたタクマさんが帰宅。月子さんは事情を話してしまうことに。

 ここで一旦整理すると、

 月子さん:妖が見えなくなってしまった父のことを気遣い、秘密裏に妖を退治したい。

 名取さん:見えなくなったから普通の生活を送ろうとしているタクマさんを、邪魔するのは許さない。

 という状況です。そんな中、妖の立場にもなって行動することも多い夏目は、複雑な心境に。

 タクマさんは、「開放してやる力を失った私の命を狙うのは、仕方ないことだろう」と、自分の式への情を見せます。ここでポイントなのは、使役していた妖と祓い人であるタクマさんの間には、絆があるというところです。つまり、徘徊している二人の妖は、危険かもしれないけど敵というわけではないのです。

 それでも、名取さんはタクマさんや月子さんの身を一番と考えます。

 このままでは二人の妖は退治されてしまう。そこで夏目は、おばあさんの方を探し、

 「どうすればいい?」「このままだと外の二人を祓わなければいけなくなる」と相談を持ちかけます。

 重要なのは、夏目は妖のことも気にかけているとは思いますが、それ以上に、親しくしていた式をタクマさん達が祓うことになってしまう、という事態を避けようとしていること。

 つまり、夏目はタクマさんと名取さんのことも想っているわけです。

 そこでおばあさんの妖は、夏目ほどの力があれば、「解約の儀」を行えるかもしれない、と言います。

■転:結局はすれ違いから起きた、悲しい出来事


 妖が見えず、父の助けになれないことを悔しがる月子さん。

 力をなくしても尚、娘を巻き込んでしまうことが悔しいタクマさん。

 そんな二人のすれ違いもまた、ここで明かされます。そして、すれ違うのは妖と人間も同じでした。

 おばあさんの妖は夏目に語ります。

 残る二人もまた、たとえ見えなくなってもタクマさんを護り続けようとしていたこと。

 彼らが家に入れなくなったのは、勘違いした月子さんが半端にはった札のせいだということ。

 それを、二人は”タクマさんに締め出された”と勘違いしていること。

 見えないからこその悲しいすれ違いです。

■結:そしてお別れへ


『 夏目友人帳 陸 』(夏目友人帳 6期) 第5話「縛られしもの」【感想レビュー】

画像引用元:©緑川ゆき/白泉社・「夏目友人帳」製作委員会

 そしていよいよ、夏目は「解約の儀」を行うべく二人の妖と接します。そこには、名取さんやタクマさんも立ち会うことに。

 二人の妖が家に災いを呼ぼうとしているのは事実でした。しかし、それは”災いを祓うことで自分の必要性をアピールしたい”からこその行動でした。

 「きっと、また役にたってみせるから」

 だからまた使ってくれと頼み込む妖。もう見えなくなってしまったので、反応できないタクマさん。

 見えるからこそ、そんなやりとりを辛く感じてしまう夏目。

 「(タクマさんは)もうきみたちが見えないし、声を聴くこともできないんだ」

 名取さんも言います。結局、妖達は解放されることを受け入れ、タクマさんの元を去っていきます。

 本当はお互いに相手を想っているのに、起こってしまった悲しいすれ違い。なんとも重い結末でした。唯一の救いは、お互いの想いが通じ合ったことでしょうか。会話を交わすことは叶いませんでしたが。

■『 夏目友人帳 陸 』(夏目友人帳 6期) 第5話「縛られしもの」のストーリーのその後


 ちなみに、おばあさんの方は、タクマさんの家に残り続けます。

 見ることも話すことも出来なくなってしまったタクマさんのことを、それでも慕い続けているわけです。タクマさんがいかに優しく、妖とも良好な関係を築いていたのかがわかります。

 もしいつか夏目にも見えなくなる日が来るとしたら……その時、夏目はどう思うのでしょうか。

 とまあ、なかなか考えさせられるエピソードでした。

 今回のオチは、”名取さんが夏目の隠し事を調査し始める”というもの。

 これまた不穏な終わり方でした。

 『 夏目友人帳 陸 』(夏目友人帳 6期)感想レビューのまとめ

(あにぶ編集部/星崎梓)

©緑川ゆき/白泉社・「夏目友人帳」製作委員会

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