元AKB島崎遥香が見せたあるべき姿

2017年4月26日 21:38

印刷

 4月26日、元AKB48で女優の島崎遥香が、現在放送中のNHKの朝の連続ドラマ『ひよっこ』に出演することが公表された。それも、主人公のみね子(有村架純)を見守る料理長、牧野(佐々木蔵之介)の娘という役で、元々原作にはなく、オーディションでの島崎の演技を面白く感じたプロデューサーが急遽追加した役であるという。それだけの評価を得ての朝ドラ初出演だけに、本人も非常にうれしいだろうし、手ごたえや責任感も感じているだろう。

【こちらも】AKB島田晴香が卒業と芸能界引退を発表

 島崎遥香は、AKB9期生。ゴールデンエイジと呼ばれ、初期からバラエティ番組に出演していた恵まれた世代だが、歌やダンスのスキルは高くなく、またトークも得意ではなかったため、一時期はルックスだけという扱いをされ、また握手会の対応が悪く、塩対応とも呼ばれて、問題児扱いされていたこともある。

 その後、逆にその塩対応が面白いと話題になり、元々持っていたルックスのよさに加えて、徐々にテレビ慣れもしてきたことで人気が沸騰し、センターに選ばれるところまで出世した、変わり種だ。

 多数のファンがいる一方で、さらに多数のアンチも産みだしているメンバーではあったが、メンバーへの愛情や責任感は強く、同じようにやる気がないように見えると叩かれながら、熱い心の持ち主だった1期生板野友美が特に仲がよかったことでも知られている。

 その演技力は、初期の頃の内輪向けドラマ『マジすか学園』シリーズでは未熟さも目立ったが、回数を重ねるたびに上達し、やがてその他のドラマにも呼ばれるようになるなど、地道に確実に実力をつけてきた努力の人。タレントのように、快活におしゃべりができる器用さはないが、与えられた役をしっかり憑依させて演じさせると、素人でも上手さがわかる女優といえるだろう。

 思えば、今でこそAKBは、人気アイドルではあるが、本来のAKBが目指していた、「メンバーが将来の夢を叶えるためのプラットフォーム」という形を体現した、AKBらしい成功者と言えるかもしれない。

 ここのところ、卒業ラッシュが続くAKBGではあるが、意思をしっかりと持って自分を貫きつつ、研鑽を積むことで、卒業後も末永く必要とされる存在になることもできるのだということを示す好例として、これからもその偉大(?)な背中を見せ続けて欲しいものだ。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事