2017年春ドラマの本命、新鮮な藤原竜也が見れる『リバース』第1話レビュー

2017年4月21日 21:49

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行きつけのカフェで偶然出会った深瀬(藤原竜也)と越智(戸田恵梨香)だが、「イヤミスの女王」が手掛けた作品だけに2人がこのまま終わるとは思えない(c)TBS

行きつけのカフェで偶然出会った深瀬(藤原竜也)と越智(戸田恵梨香)だが、「イヤミスの女王」が手掛けた作品だけに2人がこのまま終わるとは思えない(c)TBS[写真拡大]

■第1話は視聴率2桁発進の『リバース』
 4月14日にTBSにて湊かなえ原作のドラマ『リバース』が15分拡大で放送された。主演に藤原竜也を添えた注目作だが、視聴率は10.3%と2桁スタートを切った。藤原竜也以外にも戸田恵梨香や武田鉄矢、YOUなど個性的な出演陣が光ると共に、演出面でも完成度の高さを感じるドラマだった。

【こちらも】湊かなえ原作『リバース』がTVドラマに、主演は藤原竜也と戸田恵梨香

■広沢の死から逃れられない同級生の物語
 『リバース』の主人公は、小さな会社で事務員として務める深瀬和久(藤原竜也)の回想からはじまる。彼は大学の卒業間近の旅行で、大親友である広沢由樹(小池徹平)を事故で失ってしまう。深瀬と広沢以外にも村井隆明(三浦貴大)、浅見康介(玉森裕太)、谷原康生(市原隼人)が一緒だったが、彼らは将来のことを考えて広沢の死については交通事故で処理しようと決めていた。

 時が流れて、深瀬も社会人として何気ない日常を送っていた。ある日、彼が行きつけのカフェで越智美穂子(戸田恵梨香)に出会うことで変化が出てくる。深瀬はカフェの店員である乾恭子(YOU)の助力もあり、越智との距離を縮めて恋人になる。しかし、その一方で小笠原(武田鉄矢)という謎の男が広沢の件についてしつこく聞いてくることになる。

 越智と仲良くなる一方で不安を抱える深瀬だったが、越智の元に「深瀬和久は人殺しだ」という手紙が届く。深瀬は覚悟を決め、大切に思う越智の前で広沢に関する懺悔をはじめる。

■藤原竜也、戸田恵梨香のナチュラルな演技が魅力
 「イヤミスの女王」と呼ばれる湊かなえ原作ということもあり、第1話に関してはストーリーの展開に飽きがくることはまずなかった。また、注目すべきなのは実写映画『デスノート』でも共演経験のある藤原竜也と戸田恵梨香のナチュラルな演技だろう。

 藤原竜也といえば舞台出身の実力派で、数々の映画で狂人的な役をすれば右に出るものがいない役者である。その彼が『リバース』では現代によくいそうな奥手で人間関係を構築するのが苦手な青年役を演じている。

 また、近年はあまり姿を見なかった戸田恵梨香もミステリアスな雰囲気が漂う役を見事にまっとうしている。彼女も『SPEC』では常人離れした個性あふれる役を演じており、さらに2017年4月公開の『無限の住人』でも訳アリの遊女役に抜擢。

 濃い役まで演じられる2人が恋人にまで発展する役を演じており、その親密になるまでの演技が絶妙だった。物語にも大きく関わってくる2人の距離感を見事に表現しているシーンは、第1話の中でも見どころの1つとなった。

 また、役者以外にも演出面でみても秀逸で、タイトルの「リバース」をうまく表現するような映像効果も使われている。第1話の時点で広沢に関してどのような謎があるのか気になる物語が展開され、今後どのように変化していくのか楽しみである。

 『リバース』はTBSにて金曜の夜10時から放送中である。第2話は4月21日に放映予定。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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