KDDI総合研究所、アニメ「攻殻機動隊」のタチコマでPC攻撃対策

2017年3月28日 06:54

印刷

「Web媒介型攻撃対策技術の実用化に向けた研究開発」(WarpDrive)(KDDI総合研究所の発表資料より)

「Web媒介型攻撃対策技術の実用化に向けた研究開発」(WarpDrive)(KDDI総合研究所の発表資料より) [写真拡大]

 KDDI総合研究所は27日、アニメ「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」と連携して、Web媒介型攻撃に対策する「電脳空間におけるタチコマ・リアライズ」に取り組むと発表した。

 士郎正宗氏原作のコミック・アニメーション作品「攻殻機動隊」では、電脳空間におけるサイバーセキュリティが物語の重要な因子となっており、主人公たちをサポートする人工知能キャラクター「タチコマ」を、現代の電脳空間であるインターネットで実現、サイバーセキュリティの向上に繋げることが「電脳空間におけるタチコマ・リアライズ」の核となるコンセプトだ。

 今回の取り組みは、2016年度に開始した、情報通信研究機構(NICT)の委託研究「Web媒介型攻撃対策技術の実用化に向けた研究開発」(WarpDrive)によるもので、プロジェクトではまず、Web媒介型攻撃対策用ソフトウェア「タチコマ・セキュリティ・エージェント(タチコマSA)」を開発し、2017年度中にPC向けに無償配布・実証実験を開始する予定。タチコマSAはWeb媒介型攻撃を検知して防壁展開(悪性Webサイトへのアクセスをブロック)し、個々のPCに適した警告やアドバイスを行う。また、大規模に分散したタチコマSAたちが並列化を繰り返し、最新のサイバー攻撃に対処できるように成長していく。

 その後、2020年を目途にタチコマSAの保護対象をスマートフォンやIoT機器へと拡大していき、ユーザの日常の様々な局面において、サイバーセキュリティの向上をサポートするサービス・製品の実現を目指す。

 WarpDriveプロジェクトには、KDDI総合研究所のほかにも、セキュアブレイン、横浜国立大学、神戸大学、構造計画研究所、岡山大学、金沢大学の合計7者が受託しており、Web媒介型攻撃の対策技術を研究開発し、数万人規模の大規模実証実験を通して実用化することを目的としている。

関連キーワード

関連記事