米国株式市場見通し:雇用統計など主要経済指標に注目

2016年7月2日 14:49

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記事提供元:フィスコ


*14:49JST 米国株式市場見通し:雇用統計など主要経済指標に注目
7月4日(月)は独立記念日の祝日で米国株式市場は休場となる。英国のEU離脱決定直後は金融市場に混乱がみられたものの、先週末までに株価は概ね元の水準まで回復しつつある。英国とEU加盟国との交渉開始が少なくとも9月以降に先延ばしになると報じられ、足元の懸念が後退したことが一因だ。また英国の国民投票の結果を受けて、年内の利上げ観測は大きく後退した。引き続き、欧州経済への警戒は必要となるが、来週から本格化する決算シーズンを控えて投資家の関心は企業業績に移ることが予想される。

来週は6日にFOMC議事録が公表される。6月のFOMCでは賛成多数で政策金利が据え置かれたほか、今後数年間の利上げ見通しが引き下げられた。また、イエレン議長は英国が欧州連合(EU)を離脱した場合には米国の経済見通しにも影響を及ぼすとの見解を示しており、中長期的な米国経済への影響についてどのような議論が行われたのかに注目が集まりそうだ。但しFOMCは英国の国民投票前であったことから、FOMCメンバーの判断をはかるには今しばらく時間を要するだろう。

経済指標は、5月製造業受注指数(5日)、5月貿易収支(6日)、6月ISM非製造業景況指数(6日)、6月ADP雇用報告(7日)、6月雇用統計(8日)などの発表が控えている。先週発表された1-3月期GDP確定値が上方修正されたものの、今週の各種指標で引き続き景気改善を確認できるかが焦点となるだろう。雇用統計では、失業率は前月比ほぼ横ばいの4.8%、非農業部門雇用者数は前月から17万5千人増が予想されている。

主要企業決算は殆ど予定されていないが、4-6月期が終了したことで、7月中旬から本格化する決算発表を前に、業績修正の発表が飛び出し易い時期となることには注意が必要だ。また、今週は航空大手のデルタ・エアラインズによる6月財務実績(2日)や会員制卸売のコストコ・ホールセールによる6月既存店売上高(6日)など月次統計の発表が幾つか予定されている。

(Horiko Capital Management LLC)《FA》

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