資金不足に苦しむロシアの宇宙探査計画

2016年2月26日 12:04

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 ロシアの月・火星探索計画が、資金不足によって延期される可能性があるという(PHYS.ORGexaminer.comSlashdot)。

 今年の3月、ロシア連邦宇宙局(Roscosmos)は欧州宇宙機関(ESA)と共同で火星探査機打ち上げを実施する予定となっている。この計画はエクソマーズと呼ばれ、2つのミッションプログラムから構成されている。最初に実施されるのは、ロシア製の周回機Trace Gas Orbiterとイタリア製の着陸機Schiaparelliの打ち上げ。10月には火星のメリディアニ高原にSchiaparelliを降下させる予定だ。このミッションの主要な目的は火星の大気ガスの分析。特にメタンが生物学的なのか地質学的な由来のものであかを分析するという(ESASED)。

 延期の可能性があるのは、これに続く第2弾のミッションだという。このミッションは欧州のローバーとロシアの地表探査機を打ち上げを行い、水が豊富にあったとされる岩石地域での生命痕跡の探査を行うというもの。2018年5月に実施する予定だが、ロシアの資金不足から2020年ごろにまで延期される可能性があるという。ロシアはほかにも月面探査を行うルナグローブ計画や米国と共同で金星探査計画も計画されているが、こちらも資金的な理由から延期される可能性が高い模様。

 なお、資金不足は石油と天然ガスの価格の崩壊やウクライナ・クリミア半島問題からくる経済制裁が原因とされている。

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