双日、スリランカで複合火力発電会社を買収

2016年2月2日 20:46

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双日が買収したエーイーエス・ケラニティッサ社の複合火力発電所とその所在地を示す図(双日の発表資料より)

双日が買収したエーイーエス・ケラニティッサ社の複合火力発電所とその所在地を示す図(双日の発表資料より)[写真拡大]

 双日は2日、スリランカで複合火力発電事業を手掛けるエーイーエス・ケラニティッサ社(AES Kelanitissa Private Limited)の株式90%を取得したと発表した。双日は運営面にも本格的に関与し、発電プラントの運転管理・保守点検などの経営ノウハウの吸収、蓄積を図るという。

 同社によると、今回買収するエーイーエスは、スリランカの都市コロンボ近郊で163メガワットの複合火力発電事業を保有、運営している。同事業はスリランカのピーク電力需要(約2,000メガワット)の約7%を担っているという。株式は米国の大手電力事業会社エーイーエス社(AES Corporation)から取得した。

 双日は、スリランカで50メガワットの火力発電事業を運営するアジアパワー社(Asia Power Private Limited)に1998年の操業開始時から主要株主として事業参画しており、今回は同国での2件目のIPP(独立系発電事業)となる。

 同社によると、スリランカでは今後、年率約6%の電力需要の増加が見込まれている。同国の発電設備容量の約35%は水力発電によるもので、乾季の電力不足が慢性的な問題となっていることから、供給安定性に優れた火力発電が求められている。

 双日は長期安定的な収益基盤の一つとして、持続的成長が見込まれる地域での発電事業とインフラ事業の強化を目指している。今後、成長の潜在能力の高いアジア、中東、アフリカのほか、米州での事業機会を積極的に取り込んでいくという。

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