乗客の身長に合わせて旅客機のシートピッチを調整するシステム

2015年8月14日 15:51

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記事提供元:スラド

headless 曰く、 現在の旅客機では、座席のシートピッチ(列間隔)がクラスごとに設定されている。そのため、特にエコノミークラスの場合、背の高い人にはレッグルーム(足元のスペース)が狭いこともある。このような問題を解決するため、米企業B/E Aerospaceが乗客の身長ごとにシートピッチを調整するシステムを考案したそうだ(United States Patent Application: 20150145300ConsumeristFlyerTalkSkift)。

 乗客の身長に合わせてシートピッチを調整するといっても、1席単位で座席を前後させてしまうと列がそろわなくなり、緊急時の脱出が困難になってしまう。B/E Aerospaceが考案したシステムでは、チェックイン時に乗客の身長を測定して身長別に座席を割り当て、列単位でシートピッチを調整する。ただし、身長の特に高い人が座る列を身長の低い子供が座る列の後ろに割り当てるということなので、すべての座席が対象になるわけではないようだ。シートピッチはタブレット端末などからの操作で調整でき、クルーが大きな負担を強いられることもないという。

 体の大きな乗客の搭乗に関しては、Customers of Size(COS)ポリシーでアームレスト間の幅を明示し、追加席購入の手順や割引料金などを案内している航空会社もある(サウスウェスト航空の例)。ANAJALでも、1名で2席以上の座席が必要な乗客に対する特別旅客料金を設定している。ただし、COSは基本的に太った人を想定したもので、足が長くて着席が困難な人に対する対応は進んでいないようだ。

 B/E Aerospaceのシステムでは身長の高い人の搭乗に関する問題を大きく改善できるが、状況によっては家族やグループに離れた席が割り当てられる可能性もある。このようなシステムが実際に受け入れられるだろうか。

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