今夜に注目すべき3つのポイント~ユーロ圏首脳会議の行方を見守る流れ

2015年7月6日 18:43

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記事提供元:フィスコ


*18:43JST 今夜に注目すべき3つのポイント~ユーロ圏首脳会議の行方を見守る流れ

6日の欧米市場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■米国株式見通し:ユーロ圏首脳会議の行方を見守る流れ
■日経225先物ナイト:日経225先物ナイトは日中終値比70円高、バルファキス財務相はブログで辞任を表明
■欧米為替見通し:ギリシャの緊縮策受け入れ拒否も、下値では値ごろ感から買い戻し


■ユーロ圏首脳会議の行方を見守る流れ

3日のNY市場は独立記念日の振替え休日で休場だった。ギリシャで、財政緊縮策の受け入れを争点に行われた国民投票は、事前の世論調査と異なり、緊縮策に反対が6割を超えた。チプラス首相は勝利を宣言。ギリシャのユーロ圏離脱が現実味を帯びたとの見方から、売りが警戒される。

グローベックスの米株先物はNYダウで100ドル超の下落を織り込んでいる状況。欧州市場は軒並み売りが膨らんでいる状況であるが、ドイツのメルケル首相と、フランスのオランド大統領はギリシャの国民投票の結果を受け、ユーロ圏首脳会議を7日に開く予定。長期戦になるだろうが、協議の行方を見守る流れになりそうだ。

また、ギリシャのバルファキス財務相が辞任を表明したと報じられている。これを受けて、欧州市場なども協議進展期待から下げ渋りをみせてくるようだと小幅な下げにとどまりそうである。

なお、今週は8日に予定されているアルミニウム大手のアルコアから4-6月期決算発表シーズンに入る。本格化は来週以降だが、9日には食品メーカーのペプシコの決算も予定されている。決算発表シーズンに入ることで主要企業の足元の業績や見通しに注目が集まるため、ギリシャ情勢が小康状態となれば、次第に業績相場に移行する展開が見込まれる。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■日経225先物ナイトは日中終値比70円高、バルファキス財務相はブログで辞任を表明

18時40分時点の日経225先物ナイト・セッションは日中終値比70円高の20270円で推移。欧州株式市場では主要株価指数が総じてマイナスとなっているが、下落率は2%以内に留まっている。ギリシャのバルファキス財務相はブログで辞任を表明。市場では、ギリシャ財務相辞任観測を受けてユーロ圏との交渉が進むのではないかとの思惑が高まっている。225先物日中取引では20000円から下げ幅を一気に縮小していることから、225ナイト・セッションは20200円台でしっかりとした値動きを見せる可能性がある。

(先物OPアナリスト 田代昌之)

(日本時間18:20時点 / 現在値 / 前日比 / 前日比(%))
・イギリス FT100 / 6547.64 / -38.14 / -0.58%
・フランス CAC40 / 4745.59 / -62.63 / -1.30%
・ドイツ DAX / 10933.91 / -124.48 / -1.13%


■ギリシャの緊縮策受け入れ拒否も、下値では値ごろ感から買い戻し

ドル・円は下げ渋りが続きそうだ。下値では値ごろ感による買い戻し、上値では利益確定売りがみられ、値幅は大きく触れないと予想される。欧米市場では、欧州中央銀行(ECB)の対応や関連のニュースが注目される。

5日に実施されたギリシャの国民投票で財政緊縮策の受け入れが拒否されたことを受け、ユーロ体制の維持に懸念が増し、金融市場ではリスク回避姿勢が強まっている。

きょう早朝の海外取引時間帯ではユーロ売り先行で始まり、ユーロ・ドルは1.1000ドルを、ユーロ・円は134円をそれぞれ割り込んだ。こうしたユーロ売りがドル・円に波及し、一時121円88銭まで下げた。

東京の取引時間帯では、値ごろ感から機関投資家をはじめとする国内勢が買い戻しの動きを強め、ドル・円は122円台を回復。ドル不足の輸入企業がドル買いを進め、122円後半に戻した。

東京市場をはじめ、アジアの主要株式市場でもリスク回避姿勢が強まり、売り優勢となっているが、前週大きく売られた中国株が上昇に転じていることから、ドル・円の売りが大きく進んでいない。

市場関係者は、「ギリシャ問題への警戒感が広がっており、全般的にリスク回避姿勢が強い」としながらも、「必ずしもギリシャ問題だけで売り買いされているのではなく、下値では値ごろ感から買い戻しが入りやすく、上値では利益確定売りが出やすい」と話す。

ただ、日経平均株価が下げ幅を一時500円超に拡大したほか、当局の株価対策で堅調だった上海株が中盤以降は上げ幅を縮小した。欧米市場でも、主要株価指数にらみの展開で、リスク回避姿勢が強まれば、ドル・円やユーロ・円の売りにつながるとみられている。

一方、スイス・6月消費者物価指数や米・6月ISM非製造業景況指数(総合)、ギリシャ問題に関する要人発言の内容などが材料視されそうだ。

(為替・債券アナリスト 小瀬正毅)


☆欧米市場のイベントスケジュール☆

・23:00 米・6月ISM非製造業景況指数(総合)(予想:56.5、5月:55.7)
・23:00 米・6月労働市場情勢指数(5月:+1.3)《SY》

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