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ビール各社のミャンマー参入ラッシュ。消費拡大見込む
世界のビールメーカーがミャンマー参入に動いている。デンマークのカールスバーグは5月7日、ヤンゴン北郊外のバゴーの工場で、ビールの製造を開始した。2011年の民政移管後、初めての外資による現地生産となる。同国のビール生産能力の3分の1に当たる年間1600万ガロンの生産能力を備える。
同社は軍政時代から現地生産を検討していたが、同国に対する経済制裁が強化されたため、一旦撤退を余儀なくされた。13年に同社は同国の大手飲料会社ミャンマー・ゴールデン・スター(MGS)とパートナーシップ契約を締結し、合弁会社を設立していた。
今回カールスバーグが製造するのは、ミャンマー人向けに新開発したビールブランド「ヨマ」。コメを風味付けに使った新しいブランドだ。同社では、10月以降に旗艦ブランド「カールスバーグ」の生産に乗り出す計画だ。
一方、オランダのハイネケンも年内に同国での現地生産を開始する予定だ。すでに同社は13年5月に、同国でのビール醸造・販売のためにAlliance Brewery Company Ltd (ABC)と合弁事業契約を結んでいる。
さらに、英ビール大手のSABミラーが、「ミャンマービール」を生産する「ミャンマーブルワリー」への出資を検討している。
数年前まで、同国のアルコール消費量は小さかった。世界保健機関(WHO)によると1人当たり消費量は、わずか年0.7リットル(08~10年平均値)。敬虔な仏教国であることから、飲酒を避ける傾向があったとされている。
ところが近年、経済発展に伴って、アルコール消費量が急増、14年度の国内生産は11年度比2倍の4000万ガロン超に拡大した。同じ仏教国でもタイの消費量はミャンマーの10倍の7.1リットル(08~10年平均値)に達しており、ミャンマーでもビール市場のさらなる拡大が見込まれている。
これまで、同国では市場の約7割を占めるミャンマービールのほか、ダゴンビール、マンダレービールなどが主に消費されていた。カールスバーグに続いて各社の本格参入も予定されており、今後同国のビール市場での競争が一気に激しさを増しそうだ。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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