筑波大、雄マウスの攻撃行動の強度を制御しているメカニズムを明らかに

2015年4月24日 16:37

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雄マウスが攻撃行動を示している最中に、背側縫線核(DRN)へのグルタミン酸(Glu)入力が増加する。しかし、攻撃行動が適度なレベルのときには、内側前頭前野(mPFC)でのセロトニン(5-HT)の放出量は変化しない。一方、雄マウスの攻撃行動が高ぶる(昂進した攻撃行動を示す)と、DRNのグルタミン酸入力がさらに増加し、それに応じてセロトニンの放出も増加する。(筑波大学の発表資料より)

雄マウスが攻撃行動を示している最中に、背側縫線核(DRN)へのグルタミン酸(Glu)入力が増加する。しかし、攻撃行動が適度なレベルのときには、内側前頭前野(mPFC)でのセロトニン(5-HT)の放出量は変化しない。一方、雄マウスの攻撃行動が高ぶる(昂進した攻撃行動を示す)と、DRNのグルタミン酸入力がさらに増加し、それに応じてセロトニンの放出も増加する。(筑波大学の発表資料より)[写真拡大]

 筑波大学の高橋阿貴助教と国立遺伝学研究所の小出剛准教授らは、雄マウスを用いた実験によって、セロトニン神経系が存在する背側縫線核でグルタミン酸の入力が増加することで、雄マウスの攻撃行動が高ぶることを明らかにした。

 セロトニンは精神面にも影響を及ぼす神経伝達物質であり、枯渇することで攻撃行動が過剰になることが分かっている。しかし、動物が攻撃行動を示している最中に、セロトニン神経系がどのような制御を受けて活動しているのかは明らかになっていなかった。

 今回の研究では、抑制性神経伝達物質GABAの受容体の1つであるGABAB受容体に注目し、セロトニンニューロン特異的なGABAB受容体を働かなくしたマウスを使って実験を行った。

 その結果、GABAB受容体を作動させる薬はセロトニンニューロンに直接作用するわけではなく、セロトニンニューロン以外の神経細胞に作用することで攻撃行動を増加させることが分かった。また、攻撃行動を示している最中には、雄マウスの背側縫線核内でグルタミン酸の放出が増加していることも明らかになった。

 研究グループは今後、どの脳領域に由来するグルタミン酸の伝達が、雄マウスの攻撃行動レベルの決定に関与しているのかを調べる方針。

 なお、この内容は「The Journal of Neuroscience」に掲載された。論文タイトルは、「Glutamate input in the dorsal raphe nucleus as a determinant of escalated aggression in male mice」。

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