競争激しいカフェ事業に参入するすかいらーくの勝算

2015年3月8日 15:27

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記事提供元:エコノミックニュース

すかいらーく傘下のニラックスはグループ初のカフェ「むさしの森珈琲」を横浜市郊外に3月7日にオープンする。高原リゾートの珈琲店をコンセプトに、ゆったりとくつろげるカフェを提案する。

すかいらーく傘下のニラックスはグループ初のカフェ「むさしの森珈琲」を横浜市郊外に3月7日にオープンする。高原リゾートの珈琲店をコンセプトに、ゆったりとくつろげるカフェを提案する。[写真拡大]

 すかいらーく<3197>傘下のニラックスはグループ初のカフェ「むさしの森珈琲」を横浜市郊外に3月7日にオープンする。高原リゾートの珈琲店をコンセプトに、ゆったりとくつろげるカフェを提案する。商品の質にもこだわっており、注文ごとにメレンゲを泡立てて焼き上げるふわっとろパンケーキは一押しの自慢のメニューだ。

 「コメダ珈琲」やドトール・日レスホールディングス〈3087〉が運営している「星乃珈琲」のような、コーヒー1杯400円~500円でモーニングやサンドイッチ、パスタ等の食事メニューが充実している少し高級感があって寛げる郊外の珈琲店は女性とシニア層に支持されている。「むさしの森珈琲」の方向性も同じで、主なターゲットは30代~50代の女性。ソファーも置いて長時間の滞在もできるようにしている。このようなカフェは増加傾向にあり、客単価もランチタイム後はファミレスより高い。

 少子高齢化の影響で外食産業は年々縮小の方向に進んでいる。これから大きな成長の展開が望めない中、カフェ人気は衰えをみせていない。すかいらーくはスターバックスのような都心型のセルフ式カフェではなく、郊外で展開する昔の喫茶店のような雰囲気のレトロなカフェで女性やシニア層を中心に取り込む戦略だ。時代を先読みして若者ではなく中高年をねらっている。 

 既存の他のカフェも郊外への出店を強化している。すかいらーくはグループで3000店舗近く展開しており、郊外の駅前で収益性の低いガストをカフェに転換していくのではないかとみられている。その点で他のカフェより立地面では有利だといえる。

 ファミレスは好調に売り上げを伸ばしているが、それに甘んじず次の一手を模索中だ。その一つとしてこれから本格化する高齢化を見据え新規にカフェ事業に参入する。この一号店が成功すると、そう遠くない未来に「むさしの森珈琲」を私達の街で見かけるようになるのだろう。(編集担当:久保田雄城)

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