沖電気、0.35mmピッチ1,000ピン半導体用30層プリント配線板の量産開始

2015年1月2日 12:37

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30層板厚3.5mmソケットボード0.35㎜ピッチソケット接触部拡大写真(沖プリンテッドサーキットの発表資料より)

30層板厚3.5mmソケットボード0.35㎜ピッチソケット接触部拡大写真(沖プリンテッドサーキットの発表資料より)[写真拡大]

 沖電気工業グループのプリント基板事業会社である沖プリンテッドサーキット(OPC)は2014年12月24日、将来スマートフォン等で使用が予想される端子ピッチ0.35mmで端子数1,000ピンの次世代半導体に対応した、最大板厚3.5 mm(30層)プリント配線板の量産技術を確立したと発表した。半導体の機能試験装置(半導体テスター)に使用されるソケットボード用プリント配線板として、2014年12月より量産を開始した。

 スマートフォンなど携帯端末の小型化・高性能化にともない、搭載される半導体も小型化のため端子ピッチが0.50 mm、0.40 mmから0.35 mmへ狭ピッチ化が進み、大量データを高速伝送する高性能化のため1,000ピンを超える端子ピン数の高機能半導体の開発が始まっている。

 今回OPCでは、これまでの既存技術の短所を補填し、最大板厚3.5 mm(30層)の基材に0.35 mmピッチで極小径の貫通ビア形成を実現する「FiTT(Fine pitch Through via Technology)工法」を開発した。配線層間ずれを40µm以内に抑える高精度積層技術、穴位置を製品に合わせミクロン単位で補正するシステムおよびドリル形状・穴あけ加工ステップの最適化による高精度穴あけ加工技術により、世界で初めて、0.35㎜ピッチで端子ピン数1,000ピン超対応の高多層プリント配線板の量産を可能にしたという。

 同技術は、貫通ビア構造のため高多層であっても電源供給、グランドの接続が安定的に確保でき、半導体の機能試験装置用基板に要求される高い信号品質を確保することができる。また、シンプルなプロセスのため低コストかつ短納期での製造が可能だ。

 今後OPCでは、半導体テスター用ソケットボード市場に向けて、従来工法では実現できなかった狭ピッチ多ピン半導体に対応するプリント配線板事業を積極的に展開する方針である。

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