新興市場見通し:決算発表の本格化を迎えてやや神経質な展開にも

2014年7月26日 23:29

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記事提供元:フィスコ


*23:29JST 新興市場見通し:決算発表の本格化を迎えてやや神経質な展開にも

先週の新興市場は、株式市場全般の堅調地合いが続く中で、上値追いが優勢の展開となった。米フェイスブックの好決算発表なども刺激材料となる形で、ネット関連やバイオ関連などの主力銘柄には幅広く押し目買いの動きが強まった。東証1部の低位材料株が活況ななか、短期資金のシフトによってやや盛り上がりには欠けているものの、日経ジャスダック平均は7月8日の高値を更新して、2007年2月以来の高値水準となってきている。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.6%であったのに対して、マザーズ指数は+2.3%、日経ジャスダック平均は+2.0%だった。

個別では、サイバダイン<7779>が活況、SMBC日興の新規買い推奨が評価材料視された。ヒーハイスト<6433>やハーモニック<6324>など他のロボット関連の刺激材料ともなる。また、フリークアウト<6094>にもゴールドマンの新規買い推奨が観測された。ミクシィ<2121>も人気継続、「モンスト」の世界累計利用者が1000万人を超えたとの発表、信用取引規制の緩和などが買い材料に。バイオ関連も上昇が目立ったが、セルシード<7776>は細胞シートの需要拡大思惑が強まり、CANBAS<4575>は開発中の抗癌剤候補化合物の研究論文が話題となった。ほか、セプテーニ<4293>は米フェイスブックの好決算が刺激材料となり、DAC<4281>は好業績観測報道が好感される。一方、サイバーエージ<4751>は市場想定を下回る4-6月期決算が嫌気された。マクドナルド<2702>も食の安全に対する懸念が先行へ。

今週の新興市場は、米FOMCや雇用統計、中国PMIなど経済指標の発表を控えて全般的に様子見ムードが強まりやすいなか、相対的にも短期資金の関心は低下していく可能性があろう。短期資金は好決算発表銘柄に集中しやすいとみられ、テーマ物色や直近IPO銘柄への関心は低下する公算。新興市場でも決算発表が本格化してくるが、バイオ関連銘柄など足元の業績には不透明感の強いものが多く、東証1部銘柄などと比較して、短期資金の関心が低下しやすいタイミングでもある。さらに、先週はサイバーエージが決算発表に大幅安となっており、警戒感は一段と高まりやすい状況といえよう。

個別では、決算発表銘柄への関心が高まることになる。29日のガンホー<3765>、タカラバイオ<4974>、30日のドリコム<3793>、ニューフレア<6256>、31日の夢真HD<2362>、ネットイヤー<3622>、日本通信<9424>などの決算が注目されよう。とりわけ、日本通信の決算後の株価動向は、新興市場銘柄全般のマインドを左右しやすいとみられる。タカラバイオの決算もバイオ関連銘柄の先行きを占う上で注目。1部上場銘柄の決算内容を受けて、影響を受けてくる新興市場銘柄も多いだろう。また、海外市場ではツイッターの決算などに関心が集まる余地もあろう。ほか、先週末に大幅安となったサイバーエージの反発力などにも注目。なお、週末の報道からは、カジノ関連、人材関連、省エネ関連などに関心が高まる余地も。

ジャスダック平均が1月の高値を更新している中、マザーズ指数は6月戻り高値未更新で、1月の年初来高値までは14%の余地がある。相対的な出遅れ感は鮮明化しており、仮に、決算発表をきっかけに成長期待が再燃する状況となれば、時価総額上位銘柄などに上値追いの勢いは強まってこよう。《KO》

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