欧米為替見通し:黒田日銀総裁と赤三兵

2014年5月27日 17:18

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記事提供元:フィスコ


*17:18JST 欧米為替見通し:黒田日銀総裁と赤三兵

本日27日の欧米市場のドル・円は、ウクライナ東部での武力衝突への警戒感から上げ渋る展開が予想される。

ドル・円は、20-21日の日本銀行金融政策決定会合での現状の金融政策の維持やウクライナ情勢への警戒感によるリスク回避の円買いで100円81銭まで下落した後、3日連続の陽線「赤三兵」で102円付近まで反発している。

ドル・円が下げ渋る展開となった要因として、黒田日銀総裁による「円はドルに対して上昇しないというのが合理的な推論」という円高牽制発言がある。

アベノミクスの「3本の矢」は、「第1の矢」が大胆な金融緩和政策、「第2の矢」が財政拡張政策、そして、「第3の矢」が成長戦略だったが、「第3の矢」が先端が吸盤でできているおもちゃの矢だったことで、安倍トレード(日本株買い・円売り)が失速している。

来月、安倍政権は、成長戦略「第2弾」を発表するが、また失望的な内容だった場合、日本株売り・円買いに拍車がかかることになる。もし、安倍トレード(日本株買い・円売り)の手仕舞いに拍車がかかった場合、黒田日銀総裁は、昨年4月の異次元の量的・質的金融緩和「第1弾」に続く「第2弾」を打ち出して、株安・円高を防ぐことを警告しているのかもしれない。

【今日の欧米市場の予定】

18:30 南ア・1-3月期GDP(前期比年率予想:-0.2%、10-12月期:+3.8%)
21:30 米・4月耐久財受注(前月比予想:-0.6%、3月:+2.6%)
22:00 米・3月S&Pケース・シラー住宅価格指数(前年比予想:+11.75%、2月:+12.86%)
22:00 米・3月FHFA住宅価格指数(前月比予想:+0.5%、2月:+0.6%)
23:00 米・5月消費者信頼感指数(予想:83.0、4月:82.3)
23:00 米・5月リッチモンド連銀製造業指数(予想:5、4月:7)
23:30 米・5月ダラス連銀製造業活動指数(予想:9.1、4月:11.7)
02:00 米財務省2年債入札(310億ドル)《KO》

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