三陽商会 基幹ブランド「エポカ」を全面刷新 2014秋冬から新ディレクター起用

2014年5月22日 20:46

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記事提供元:アパレルウェブ

 三陽商会は2014秋冬から、自社ブランド「エポカ」を全面刷新する。イタリア人のクリエイティブディレクターを起用し、商品企画からブランドイメージまで全面的に見直した。同社の基幹ブランドの1つとして、新規顧客をつかむ。

 「エポカ」は、100%イタリア生産(当初)の“日本発・国際ブランド”として1996春夏スタート。イスラエル出身のヨシ・コーヘン氏(デビュー時~)や、パリコレ参加経験を持つ二本松幸司氏(2000年~)をクリエイティブディレクターに起用してきた。デビューから18年が経過するなか、「市場の需要に寄り過ぎ、テイストが多様化していた」(花木崇・事業本部企画生産統轄事業部ブランド事業部エポカディヴィジョン長)といい、顧客ターゲットのぶれを修正することが課題となっていた。

 イタリア出身の39歳男性を新ディレクターに起用した新生「エポカ」が目指すのは、“ハイエンドなコンテンポラリー服”。モダンなスタイルや繊細なディテール、こだわりのある素材で、海外ブランドに匹敵するクオリティーを目指す。強さとしなやかさを併せ持つ“ジェントルウーマン”をターゲット像に据え、メンズのテーラリング技術を取り入れたジャケットや、ドレス、ニットを主力として打ち出す。

 「大人の女性が着られる高感度でコンテンポラリーな服はインポートブランド以外少ない。ブランドの原点に立ち返り、新しいお客様を取り込む」(花木氏)。価格帯は大きく変えないが、客単価は現在の3~5割多い5万~5.2万円に設定した。

 国内百貨店内の既存30店舗も、名古屋松坂屋店、東武百貨店池袋店などの都心店舗から順次改装する。また、バッグやアクセリーなどの雑貨は、現在の商品構成比10%を15%まで引き上げ、将来的には単独店舗を出すことも見据えている。

 刷新後初のコレクションとなる2014秋冬は、ティルダ・ウィンストン主演映画「ミラノ愛に生きる」(2009年・伊)の撮影で使われた邸宅・ヴィラネッキカンピリオをイメージソースに、邸宅にある建築物やインテリアのディテールを柄や素材に落とし込んだ。ジャカードやレザーにレーザー加工を施した素材やサテン、ニットを用いたドレス、編地テクニックを駆使した構築的シルエットのニットなどを揃えた。

 「エポカ」は、同社が5月19日に発表した2014年から2018年までの中期経営計画のなかで、マッキントッシュ、ポールスチュアートとともに、基幹事業として売り上げ拡大が急がれるエポカ事業のメインブランド。他の2ブランドがライセンス事業であるのに対し、唯一の自社ブランドでもある。メンズラインの「エポカ ウォモ」、2013秋冬にデビューしたファッションビル・駅ビル向けの若者向けライン「ビアンカ エポカ」、エポカブランドの複合店舗「 エポカ ザ ショップ」とあわせ、中計の最終年度には、売上高を現在の1・5倍にあたる150億円規模に成長させる。既存130億円の内訳は、エポカ80億円、エポカ ウォモ30億円、ビアンカ エポカ20億円。


伊・ミラノのヴィラネッキカンピリオをイメージソースにしたプリントも。


オケージョンラインもそろえる。





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