欧米為替見通し:ウクライナとウォール街に要注目

2014年4月14日 17:16

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記事提供元:フィスコ


*17:16JST 欧米為替見通し:ウクライナとウォール街に要注目

本日14日の欧米市場のドル・円は、ニューヨーク株式市場やウクライナ情勢への警戒感から上げ渋る展開だが、1-2月の悪天候の反動で改善が予想されている米国3月の小売売上高で下値は限定的か。

ドル・円のテクニカル分析では、今年の高値105円45銭と安値100円76銭の半値である103円10銭が一目均衡表の雲の上限(先行スパン2)で攻防の分岐点となっており、現状は、上値抵抗線になっている。下値支持線は101円04銭にあり、下抜けた場合は下落トレンドに拍車がかかることになる。

ウクライナでは、先週末にブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問してウクライナ暫定政権の要人達と会談していたこと、ウクライナ東南部でのロシア系住民による政府庁舎の占拠、ウクライナ国境でのロシア軍の増強など、緊迫の度合いが増しつつある。

ニューヨーク株式市場の下落要因は、構造的には、流動性供給の減少懸念にある。米国連邦準備理事会(FRB)によるテーパリング(量的緩和縮小)、米国の金融機関に対する資本規制強化、超高速取引への規制強化への警戒感などから、流動性供給の減少懸念が高まっている。

短期的には、米国では4月15日に個人確定申告の期限を迎えること、4月18日の復活祭に向けた利益確定の売りなどが、下落トレンドに拍車をかけたとの見方もあることで、復活祭明けを待つことになる。

【今日の欧米市場の予定】

18:00 ユーロ圏・2月鉱工業生産(前月比予想:+0.2%、1月:-0.2%)
21:30 米・3月小売売上高(前月比予想:+0.9%、2月:+0.3%)
23:00 米・2月企業在庫(前月比予想:+0.5%、1月:+0.4%)

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