【中国の視点】バブル崩壊が地方から始まる、大量の「塩漬け住宅」に解決策なく

2013年11月19日 08:10

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記事提供元:フィスコ


*08:10JST 【中国の視点】バブル崩壊が地方から始まる、大量の「塩漬け住宅」に解決策なく
北京や上海など主要都市の住宅価格高騰に国内外が注目を集めているが、最も深刻なのは地方都市だと指摘されている。中小地方都市に大量の「塩漬け住宅」が放置されているほか、多くの個人や企業が不動産投資に関わっているほか、話題になっているシャドーバンキング(影の銀行)の一部資金も絡んでいるためだ。

また、大手デベロッパーが相次いで中小都市から撤退しているとも報告された。統計によると、今年1-10月の全国の用地落札額は2387億元(約3兆8192億円)と前年同期比で176%増加し、過去最高を記録したという。一方、中小都市の落札額は大幅縮小し、前年同期比で37%減少した。

中小都市における住宅の過剰供給が空室率を押し上げている。数軒の住宅を保有する地元住民が珍しくない上、企業が少ないため、賃貸の需要が非常に少ない。その上、大量の資金が不動産市場に投入されていることが原因でキャッシュフローが悪化している地元企業も相次いで報告された。

こうした大量の塩付け住宅について、現時点では明確な解決策が発表されていない。一部でこれら住宅を都市化の推進として一部を利用するという案も出ている。ただ、企業の誘致や雇用を先に確保しなければ、農耕地を失った農民が都市部に大量に流れ込むことで深刻な社会問題を引き起こす可能性が高いと警告された。《ZN》

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