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【銘柄Q&A】『NT倍率』でみると日経平均はもたつくと言うが本当か
■『NT倍率』でみると日経平均はもたつくと言うが本当か
【Q】 NT倍率から見た相場では日経平均はしばらくもたつきそうだと聞きました。本当でしょうか。
■NT倍率は5月にピーク、TOPIXの内需型銘柄が投資効率の良いことを示唆
【A】 NT倍率は、日経平均の『N』と、TOPIX(東証株価指数)の『T』から名づけたもので、『日経平均』÷『TOPIX』の計算式で『倍率』を求めます。結論から言いますと、日経平均が今の相場で優位かどうかを見る指標です。現在、NT倍率は低下傾向にあるため日経平均はもたつく可能性はあるとみられます。
2008年頃までは『NT倍率』は10倍前後で推移していましたが、2009年3月頃から倍率は上昇に転じ、今年5月には12.25倍まで達しました。
通常、相場が良くなる時も悪くなる時も、片方の指数だけが上がり続け、また下げ続けるということはありません。両方とも同じような動きとなるのが普通です。ただ、指数に採用されている銘柄の違いによって、(1)動く時期の違い、(2)上げ下げの率に違いーーが生じます。この結果、NT倍率が拡大や縮小という形になります。
日経平均は、(1)株価の高い銘柄が多い、(2)輸出型の銘柄が多い、といった特徴があます。これに対しTOPIXは、内需型の建設、機械、食品、金融株といった銘柄の影響を受けやすいといった特徴があります。この違いが、とくに、相場の動く時期に大きい差となって現れます。
2009年3月からNT倍率が上昇に転じた背景には、リーマンショック後の世界景気の底入れがありました。その結果、輸出型の日経平均が内需型のTOPIXより優勢だったというわけです。
そして、今年の5月までNT倍率は一貫して上昇しました。とくに、昨年暮れあたりからの『円安』が輸出型の日経平均を勢いづかせたと言えます。
5月27日にNT倍率は12.25倍でピークをつけ、8月20日には11.90倍まで低下し、足元では11倍台後半での推移となっています。これに、円安の一服を当てはめれば輸出型の日経平均より内需型のTOPIX優位ということはうなずけます。
この先、円安が進めば日経平均優位となりますが、しかし、これからはアベノミクスによる国内景気に重心が移っているとみれば、内需型のTOPIX優位とみることができます。
NT倍率のチャートを見ても10倍台を指向した形といえます。仮に、日経平均がモミ合いの展開に入ったとしてもTOPIXは日経平均よりは強い動きが予想されそうです。このため、TOPIX優位と見て対応するなら建設株や機会株、食品株、農業関連株、医療関連株、オリンピック関連株、カジノ関連株といった内需型銘柄に資金をシフトしておく方が有利ということになるでしょう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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